あなたside
カーテンから漏れる朝日が目に入り目が覚める。
肌寒くて布団を掛けなおそうと引っ張ると、いつもとは違う感覚であることに気がついた。
この感覚は初めてではない。
素肌に直接あたるシーツの感触。
自分のものではない体温で温められた布団。
ベットの周りに転がるふたりの抜け殻。
手を伸ばせば触れることが出来る大好きな人。
昨晩のことを思い出しながらゆっくりを目を開く。
見慣れたようで、初めて見たような、そんな感じがする天井。
ああ、ひー兄に連絡してないや。朝帰りなんて怒られちゃうかな。
ベットサイドに手を伸ばしてスマホを手にとり、電源を入れる。
服を着ようとベットから降りようとすると、急に腕を掴まれた。
「.....帰っちゃうの?」
目を開き、私のことをじっと見つめてくる。
「だって、さっくんお仕事でしょ?」
「今日はおやすみ、だからもっと一緒にいたいな。だめ?」
「もう、しょうがないなぁ」
再びベットに潜り込むと、彼が覆いかぶさってキスをしてきた。
「....昨日の続き.....しよ?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。