佐久間side
突然、涙が溢れて来る。
あれ、なんでだろ....
どうして楽しいのに涙が出るんだろ。
「さっくん...?どうしたの....?」
心配そうに顔を覗き込んでくるあなた。
「...ホントに....もう終わったと思ってた......また隣で笑えるなんて思ってなくて.....」
「なーんだ、そんなこと?」
「そんなこと?って...」
「もう、そんなんで泣かないでくれない?ほら、笑って?ニコって!」
ニッコニコ〜と言いながら俺の頬を掴むあなた。
「なんだよそれ...笑」
「あ、笑った」
突然、チャイムが鳴る。
「あ、私出るね!」
トコトコと玄関に走っていくあなた。その間に俺は涙を拭く。
玄関から「え、あなた!?」と驚く阿部ちゃんの声が聞こえた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。