第12話

十一話
ハルアキくんと同時に振り返ると、そこにいたのは、浴衣を着た、ハルアキくんと同じ歳くらいの女の人が三人と男の人が二人。

全くの他人で、首を傾げた私とは反対に、ハルアキくんは驚いたように言った。

「お前ら!来てたんだな」

「まぁな。お前に先約がなけりゃ誘ったんだけどよ」

「そーそー。なに?彼女?」

「浴衣着てないから違くない?」

「判断材料そこかよ。まぁ、普通に祭り来た感じだ」

笑ってツッコミを入れ、楽しそうなハルアキくん。

……誰?何?知り合い?

「じゃあマジで春明彼女いないんだ。あたしと付き合ってみる?」

「えっ……」

あ、と思ったがもう遅い。その場の全員の視線が私に注がれていた。

真っ赤になって俯くと、ハルアキくんがポンと頭に手を置いてくれた。

「やめろよそういう冗談。こいつ思春期真っ只中なんだから」

「おいおい、誰だその子。小学生?中学生?」

「中一だ。な、あなた」

「……う、うん」

「へー!じゃあこの子と祭り来たんだ今日」

付き合ってみる?とハルアキくんに聞いていた女の人が目を向けてくる。

大人っぽくて、綺麗で、女の人って感じの体つきをしていた。

自分を見下ろしてみる。当たり前だが、胸も何もない。

「そういやさ、昨日……」

6人で会話が始まり、私はぽつんと取り残された。

――ハルアキくんって、友達の前だとこんな感じなんだ。私、子供扱いされてたんだ……。


……このままじゃ、私よりずっと素敵な女の人にハルアキくんを取られちゃう!


「ハルアキくん、来て!」

「っ、あなた!?あ、じゃあなお前ら!」

そうしてハルアキくんの手を引っ張り続けて、人が比較的少ないところで止まって、告白した。

私にとって、大きな大きな出来事。





――それなのに、ハルアキくんはもう忘れたのかな。

「……教えない」

意志を示すため、自身の唇を固く閉ざす。

ハルアキくんは気になるような素振りを見せていたが、諦めたのか、「……わかった」と少し後に呟いた。