第7話

六話
旧校舎の二階、西階段を上った先にひっそりとある空き部屋。

かつては新聞部の部室だったらしいが、廃部となった今は使い手がおらず放置されている状態だ。

「……で、なんで私はここで資料作りを手伝わされてるのハルアキくん」

「そりゃお前がボランティア係だからだろ。ほい」

プリントを十数枚重ねたものをトントンと机の上で整えて一つにし、私へ差し出してくる。

まだ言いたいことはあったが、私がこのまま手を止めていては作業が進まないので、仕方なく受け取り左とじになるようホッチキスの針を通した。

私の仕事はホッチキスで留めるだけなので、ハルアキくんが次のを作るまで暇だ。座っているソファの背もたれに寄りかかって、対面にいるハルアキくんを盗み見た。

ハルアキくんは私の視線に気付かず、黙々とプリントを重ねていっている。

……どういうつもりなんだろう。普通、初日から係の仕事なんてさせないよね。

しかも内容が資料作りって……絶対一人でもできる。

「ほい次」

「うん」

手渡されたプリントの束をホッチキスで留める。

何度目かわからない沈黙を破って、ハルアキくんが話しかけてきた。

「なぁ」

「ん?」

「お前、今好きな奴いるか?」


――留め終えたばかりのプリントの束にシワが入った。