~数年後~
[朝雛!昇格おめでとう!]
「ありがとうごさいます!」
あれから数年私と藤宮もとい“かー”とは晴れて付き合うことにしたが、それと同時に私の移動も決まった。
そこではバンバン成果を出しついに部長に就任することになった!
だけど…
[朝雛さ~ん!これって~…]
[朝雛部長!この書類は…]
[朝雛部長この企画について…]
毎日これで息抜き時間がない…
これは前の部長に文句言ってごめんだわ…
藤宮は私が居なくなった穴埋めとして営業に行かされているらしい。夏はドンマイだね
遠くで時間を知らせる音楽が聞こえる
「定時まであと1時間か…」
実は最近藤宮と会ってない
お互い忙しいからしかたないけど…
会いたいものは会いたいのだ
やっとの思いで付き合えたのにこれじゃあ意味がない…
まぁ付き合えただけでも奇跡か…
しかもお互いがお互いに初恋だったとは…
これは奇跡の他ないか…
適当に部下の仕事を見回っていると新人の子の机にまだ大量の書類が残っていた
「鈴木さんそれ…」
[朝雛部長~助けてくださぁい]
「ん~ちょっと待っててね」
他に大量の書類を持ってる人がいないか確認すると鈴木さんしか大量じゃなかったため鈴木さんのところに行き…
「じゃあ半分…より少し多く貰ってくね」
[部長!ありがとうございます~!!]
「今度コーヒーよろしくね~」
[今行ってきますよ!!]
「今は書類ね」
そんなこんなで定時が過ぎた
みんな心配して手伝うって言ってくれたけど、私は大丈夫と言って皆を帰らせた
部下の仕事は上司の仕事だしね
鈴木さんも手伝うと言ってくれたが帰らせた。
こうやって1人で残業をしていると、前の部署を思い出す…あ、でもあの時は藤宮も居たから2人か…
1人で思い出に浸っていると廊下からコツコツと足音が聞こえてきた
誰か忘れ物かな?とか思いながら無視してたら
コンコンコン
部署の扉がノックされた
急な音にビックリして扉の方を見ると
『皆帰ってるのに1人残業ですか部長?いや先輩?』
これまたビックリ藤宮が居た
久しぶりに見た気がして自然と涙が出そうになるも押さえる
その間にも藤宮は『1人でこの量?』とか『人がよすぎる』とかブツブツ言いながら私に近づいて来た。
『んで?なに手伝えばいい?』
「手伝ってくれるの?」
『そりゃあ…先輩が困っているなら』
「……でも分かる?」
『舐めないで下さい?』
そのあと藤宮のお陰でかなり早く終わった
『いや~2人で残業とか超久しぶりだったな~』
「いや、ほんとにそれ」
「本当にありがとう」
『いや…今日営業早く終わって…先輩の部署の人に聞いたら1人で残業してるって聴いたから…』
「それで…来てくれたの?」
『まぁ…可愛い彼女のため…なら』
「~っ!翔~!!」
『ちょっやめ!』
カーンカーン会社の謎の8時チャイムがオフィスに響き渡る
「このチャイムなんであんだろう…」
『ほんとにそれ意味ないじゃん』
『てか8時か…』
「8時だね…」
『実玖……いや、先輩』
『あの…まだ早いですし…』
『一緒に飲み行きませんか?』
~Fin~