前回までのあらすじ
嵐の総監督になったあなた。遂に嵐一致団結し、復活しようとまとまった。しかし、あなたに危機が迫る…
٭•。❁。.*・゚東京テレビ.゚・*.❁。.*・٭•。
私はいつもの様にスタジオに向かう。数多のアイドル達が私を見あいさつした。
私がふとスタジオ裏に入ると、元気の無いみんなが居た。
ディレクターは紙を私に見せた。ゴールデンに移行のお知らせと、メンバーの大幅な入れ替えを検討する書類だった。
その中にプロデューサーの名前にあなたと東京テレビ社長との移行が記されていた。
照明スタッフは、少し間を開けた
「…俺達も全力であなたちゃんを守りたいと思っている…
だから功績をあげて、あなたちゃんじゃないとプロデューサーが勤まらないことを証明したいんだ!頼む!今月は嵐よりも、こっちに専念してくれないか?」
私は嵐の話など照明スタッフだけでなく、誰にも内緒でいたはずだった。なのに照明スタッフは私と嵐に関係があると言われて驚いた。
「あの日、二宮さんと大野さんが来た時から、薄々感ずいてたよ。あなたちゃん、嵐の全員と何かやってんだろ」
私は言葉が詰まった。
ここで嵐の総監督をしている事を皆に言えば、プロデューサーとしての仕事を裏切った様で、いうのが怖い。
だけど今まで仲良くしていた先輩たちに嘘はつきたくなかった。
私ははぁっと息を吐いたあと、胸に手を当てて、言った。
一瞬にして皆は口々に声を漏らした。
私は目を瞑ってかたり続けた。
私は皆に頭を下げた。
私は声の主を見た。東京テレビの社長だ。社長は、プロデューサー席に座って机の上手を置き、頬をついた。
顔では笑顔を振りまくも、優しい声には、どす黒い何かが見えた。
社長はメンバーの入れ替え表を手にすると、プロデューサー欄を指さした。
その場にいた全員がキョロキョロと互いを見渡す中、照明スタッフは迷うこと無く言葉を発した。
「彼女は、打ち切り寸前だった俺達のテレビ番組を、就任わずか1ヶ月で立ち治してくれました!しかも、テレビ離れした若者層を戻し、遂に今年、全局15週連続一位をとる事が出来ました。彼女はこの番組の救いの神です!」
社長はその言葉を聞くと、うなずいた。
照明スタッフはぐっと拳を握りしめた。
私のことをここまでかばってくれる照明スタッフに、感謝の気持ちと、勇気を貰い、私は立ち上がった。
「あなたちゃん…?」
私は白いボールペンを手にそう言うと、社長はニヤリとわらった。
社長は部屋をあとにした。
私はボールペンを手に、ぐっと握った
٭•。❁。.*・゚後日.゚・*.❁。.*・٭•。
私は嵐の総監督として、復活LIVEの打ち合わせや、番組のプロデュースで毎日追われていた。
私は目の回るようなスケジュールに、立っていられるのがやっとだった。
私はスケジュール帳を出し、震える足を持ち上げた
ぐっと体を持ち上げた時、後ろから手を引く人がいた。
私が声を荒らげた瞬間、急に景色がグランと歪んだ。
足は線が切れたようにくずれおちて、体が大ちゃんの手の中に収まった。
目が思う様に開けられなくなって、私はロウソクの火を消されたように、ふっと意識がとんだ。
٭•。❁。.*・゚病院.゚・*.❁。.*・٭•。
気がつくと、私は病院のベットの上だった。
私は首を横に向けると、櫻井さんがリンゴを向いていた。
私はぼーっとする意識の中、記憶をたどった
私はたとうとするも、体に力が入らない。
櫻井くんは優しい穏やかな口調で林檎を切ったまま、ニコリとわらった。
最後の力を振り絞り、立ち上がろうとした瞬間、櫻井くんが手で私の目を覆った。
その言葉を聞くと、私は体中から力が抜け、眠気が襲った。私は彼の手を握った
私は目から涙が出なかった。でも、枯れ果てた目には、皆への感謝の気持ちがいっぱいつまっていた。
٭•。❁。.*・゚2日後.゚・*.❁。*・٭•。
私がもう一度目を覚ました時には、時が2日もたっていた。
私は飛び起きると、そこには心配そうに見守る相葉くんが居た。
私は慌ててカバンを持った
私は相葉くんの言葉を聞いて止まった。
相葉くんが私に布団をかけてくれた。
嫌な気持ちがどんどん押し寄せてくる。
私が社長との約束守れず、倒れてしまったこと。
もーあの番組のプロデューサーには戻れないこと。
皆を裏切ってしまったこと。
相葉くんは私の言葉に優しく笑顔を向けながら声をかけた。
私は唇を噛み締め、力いっぱいに口角を上げ、わらった。
相葉くんはそっと頭を撫でてくれた。
私が相葉くんに手を振った後、彼は部屋から飛び出した。私は布団を深く被りながら、天井を見ていると、扉が開く音が聞こえた。
カツカツとくつの音と共に、死神はいた。
社長だった
私はべっとから起き上がると、社長はこちらをニヤニヤと笑いみていた。
私は行くのが悲しくなり、そっぽを向くと、社長は顎をクイッと持ち上げた。
社長は嵐の写真を見せた。
すると、嵐の写真をビリビリに裂き、プロデューサーの腕章を見せた。
私はぐっと手に力を入れて、歯をかみ締めた。
パラパラと床に落ちる写真の欠片を見ながら、私は拾いあげようと立とうとした。でも、私の体は動いてはくれなかった。
私は目の前で嵐の写真を破られた悔しさのあまり、涙が止まらなかった。
次回「出会い編…(9) 選択」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!