前回までのあらすじ

日本で有名なプロデューサーでもあり、嵐のファンでもあるあなたは、嵐の相葉くんと社長のタッキーの元、総監督に任命された。嵐復活の為に、松潤と共に桜のペンダントを作り、渡したが大野さんとニノの気持ちに添えず、出ていってしまった。休止の真相を櫻井さんと共に行った北海道の焼肉店で聞いた。悲しんで家に帰ろうとした時、相葉くんが泣いているあなたを見つけた。

٭•。❁。.*･ﾟ東京駅にて.ﾟ･*.❁。.*･٭•。

私は涙が押さえられず、俯いたまま少しずつ言葉を発した

相葉くんがキョロキョロと周りを見渡すと、ハンカチを手渡した。

٭•。❁。.*･ﾟ個室の飲食店.ﾟ･*.❁。.*･٭•。

相葉くんはお酒を飲みながらニコリと微笑んだ。

私は涙をポロポロと流しながら頷（うなず）いた。
相葉くんは私の頭を撫でながらなだめてくれていた。私は相葉くんから借りたハンカチで涙を吹いた。

相葉くんは少し黙（だま）り込むと重く口を開いた。

相葉くんは優しい。
本当は誰よりも嵐の復活を心待ちにしているのに、自分の気持ちを抑えて、私のことを考えてくれる…


私はどうしたらいいのだろう。もう一度ステージの上に立つ皆を見るのか、大ちゃんの気持ちを尊重すべきか…

頭の中で色んなことが混ざりあって、ぐちゃぐちゃになっていた気持ちが、少しずつほぐれていった。どうすればいいのか、心がみるみる穏やかになり、気持ちが晴れていく。

そんな時、ふと思い出した。
総監督になった日の事を。

私は鞄の中をひっくり返す勢いでペンを探した。あの白いペンを見つけると、キャップを取った。

そこにはグリップ部分に嵐5人の絵が書かれていた。

それは以前、嵐展覧会の時に大ちゃんが描いた4人の似顔絵だった。

そして、大ちゃんの部分には、不器用に描かれた大ちゃんの絵が…

このいびつな絵の主は…

私はその時、今まで止まっていた時間が流れ出した。

本当の嵐の気持ち
ニノが伝えたい思い
嵐の皆の…


ステージの上で笑う5人の顔を


私は唇を噛み締めた。

私はボールペンをぎゅっと握りしめ、相葉くんを見つめた。

相葉くんは私の顔をじっと見つめると、気持ちが伝わったのか、背中をぽんと叩いて

と言って笑ってくれた。私は笑顔を向けてうなずくと、カバンからお金を出して、その場を後にした。

あの人に会うために…

ゲームをしながらパーカーを深くかぶったニノがそこに居た。

私はふっと息をつくと、ニノにペン先を向けた

ふっとニノが不敵な笑みを浮かべると、目の前を歩いてくる… 

ポッケから何かを取りだしたかと思えば、私のおでこに貼り付けた。

次回「出会い編…(6)黄色い手紙」