美桜side
明らかに自分が焦ってるって分かった。
自分だけじゃ、もう対処出来ないって、
完全に分かっちゃったから。
もし、美波が解体に来てくれたって、
1つ15分じゃ、解体出来ない。
そもそも私達の本業は、
爆弾の解体なんかじゃないんだし。
ただ、私が5人の中で1番得意だったから、
この役に回ってるだけで…
焦って、もし切る線を間違ったら、
それだけで爆発する。
そしたら、もちろん解体してた私は死ぬし、
威力によっては、
あなた達も、あの6人も危ない。
もう無理だ。
そう思ってしまった。
ほら。もう限界が近いんだ。
かれこれ30分以上、あなたも芽郁も、
走り続けてる。
体力の限界が来ても不思議じゃないんだ。
美桜が言い終わる前に、証明は消え、
あなたの作戦は始まった。
仕方無かったのだ。
美桜の声は、イヤモニ越しに、
武楽の5人にしか聞こえていない。
それに対して、証明を操っているのは、
キンプリの6人。
6人には、あなたの声しか聞こえていない。
統率が取れていなかったのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。