受験も無事受かり、
廉と付き合って、
後は新しい春を待つだけ…
だが、その中私は、
その春が来ないことを、
密かに願っているのであった。
環奈は私の過去を知らない。
それはあくまでも、私が話していない。
ただそれだけの話だが、
知らないのなら、
あんな過去、
教えたくないのも当然の事だ。
環奈side
本当は、見てしまった。
あなたが中学入るまでの、
小学校時代までだけど…
酷かった。
あまりにも…
あんなの、まるで監禁じゃん…
親がやるような事じゃない。
少なくとも、まともではないし、
死んでもあなたが悲しまなかった訳だ…
あなたは、ハッキリとは言わなかったが、
あなたが好きじゃないと言う時は、
嫌いということだ。
その反対、嫌いじゃないと言えば、
好きということだ。
基本的には、好き嫌いをハッキリとは
言わないけど、
それぐらい、毎日一緒に居れば分かる。
あぁ、きっと少し怒っているんだろうな…
そう思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!