コンコン
紫耀side
話を聞きにきて、
こう何回か呼んでいるけど、
あなたからの返事は返ってこない。
でも、部屋は明るいようで、
ドアの下から、明かりが漏れている。
ただ、返事も返ってこないとなると…
シ───(´-ω-`)───ン
バンッ
そこには、誰も居なかった。
いつぶりだろうか、
あなたが窓から出ていくのは…
あなたの部屋は、
大学に持っていってるバックが、
放り投げてあって、
窓が開いていた。
幸いまだ夕方だし、
変な人も少ないけど、
夜までに戻ってこなかったらやばいな…
そう思った紫耀であった。
その頃あなたは…
ピンポーン
言えなかった。
いくら美桜でも、
廉が知らない女の人とキスしてた。
なんて…
まだ信じられない。
いや、信じたくない。
あれは嘘だと信じたい。
でも、そうすればするほど、
あの場面が鮮明に浮かんで、
嫌というほど、
現実だとしか思えなくなる。
現実逃避しようとしてるせいか、
それとも本能か…
実際のことはよく分からないが、
どんどん嘘が思いつく。
こういうとき、嫌なもんだ。
美桜は、心が読めるわけでも、
未来が読めるわけでもないのに、
私の事となると、
全てお見通しだから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!