七瀬が、この話をした時、
武楽の4人は、全員何か、
大きな違和感を覚えた。
元から、あんまり花梨との記憶が無かった4人は、
花梨を少しだけ不審に思っていた。
が、今日、桜アレルギーだってことや、
その他色々な話を聞いて、
何か大きな違和感を感じた。
その頃あなたは…
なんだかんだ、ここ数年、
私は事故ったりして、
春に目を覚ましていなかった。
今年の春は、何も無ければ、
久しぶりに春を迎えることになるかもしれない。
その頃にはきっと、高校も卒業してて、
6人との関わりは、
本当に無くなっているかもしれない。
そして、それまでにこの事件が解決して、
また武楽として、楽しめればいいな…
なんて、考えていた。
今、学校で、
授業サボって屋上にいるけど、
どうしたらいいのかな…って思う。
というのも、高3のこの時期、
そろそろ皆、進路や、
就職先などが決まってきてる訳で、
もちろん廉と紫耀も決まっている。
廉は、明治大学へ行くらしいし、
紫耀は今まで通り、キンプリとして、
活動していくらしい。
私は、芸能活動も辞めちゃったし、
就職も決まってない。
それに、まともに大学も決めてない。
大学に行くなら、受験は1月。
もう後、2ヶ月ぐらいしかない。
前に廉に東大に行ったら?
と言われた事もあったけど、
東大に行って、何をする?
というか、大学に行って、何をしようか…?
今となって思うのは、
案外アイドルという、あの仕事が、
私には向いていたのかもしれないという事だ。
まぁ辞めたことに、後悔はしてないけど…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。