そして、人混みから抜けようとした、
その時だった…
ドンッ
誰かがぶつかってきた。
私は、避けたのに、ぶつかってきた。
それに何だ。
この以上な程の、嫌悪感。
この一瞬で分かるほど、
私は“この人”に、
拒否反応を起こしている。
廉が言う通り、
見た目からして、優等生。
セミロングぐらいの髪を三つ編みにし、
しっかりとネクタイをしめ、
スカート丈は、膝下。
The優等生
前回1位だったのも、分かる
学級委員でもやっているのか…
あれは、腹いせなんかじゃない。
八つ当たりでもない。
アイツからは、ビンビンの、
殺気を感じる。
ただの、優等生なんかじゃない。
そして、この殺気は、
もう既に何度か感じた事がある。
恐らく、あの優等生は…
七瀬。
アイツだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!