そしてまた、チャイムが鳴るギリギリに、教室の前まで来た。
そう言い聞かせて、前のドアから、堂々と入っていった。
教室の前には、スタッフさんもいて、その様子を撮っていた。
クラスメイトは、私が来た瞬間、近くの人と何かを話し始めて、クラスは、どんどんザワついてきていた。
でもそのざわつきは、嬉しい感じのざわめきじゃなくて、どちらかと言うと、随分冷たいものに感じた。
ただ、それに気づいてるのは、私だけだろう。
きっとこれは、自分の事だからそう思うんだ。
すると、恭平がこっちこっちと手で合図してくれた。
それに私は、
と思って座ると、ちょうどよくチャイムが鳴った。
スタッフさんは、廊下で待機しているようだった。
10分後、朝のホームルームが終わった。
すると、教室はまたざわつき始めた。
でも、大垣心花と西野凛は、なんだか逆に私を怖がってるというか、警戒してる……そんな感じだった。
そういえば、忙しくて考えてなかったけど、あの二人また捕まんなかったんだな
一体どんな手使ったらそこまで捕まらないのか…
それとも、警察がしっかりしてないのか
まぁ、どちらにせよ、確かに私があの二人に落とされたって言ったら、あの二人は、もうやっていけないだろうからね
そりゃ、私を警戒するか
まぁ、私はその事を警察に言う気はないけど…
そして、1時間目、2時間目、3時間目と授業をして4時間目前の10分休みになると、ゆりちゃんから連絡がきた。
プープープー
そして、宮永先生と、スタッフさんに言って、学校を出た
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。