その後、校門まで恭平に送ってもらった。
そして、恭平は教室に戻り、私はすぐ近くの公園に行った。
松葉杖だから、凄く歩きずらかった。
ゆりちゃんに電話して、今迎えに来てもらっても良かったんだけど、ゆりちゃんも忙しいだろうし、結局待つことにした。
1時間後
ゆりちゃんが車で迎えに来てくれた。
ゆりちゃんから差し出されたものは、ファンレターだった。
私は、ファンレターを開けて、便箋を取り出そうとした。
すると…
封筒の中に入ってたのは小さなカッターだった。
その小さなカッターの刃が1番上まで出ており、封筒の中に手を入れると、切れるようになっていた。
幸いにも切れたのは指だったけれど、どんどん血が出てくる。
制服に血が垂れてる。
仕方ないから、封筒の中に切れた指を入れて、血が垂れるのを防いだ。
封筒を抑えてる手と、怪我した手で、両手が塞がってるため、ティッシュも出せず、ただ血を流すだけだった。
私はもしこの後もこんな手紙が来るなら、ゆりちゃん達見せて、迷惑はかけれないから、ゆりちゃんにこう言った。
よし、これでいいだろう…
ただ、こんな事もあるのか…
芸能界は、そんなに甘いものじゃない。
そう知らさせる前兆となったのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。