私は咄嗟に廉に抱きついてしまった。
この時、
プツン
と切れていた糸は、
ギュッ
と固く固く結ばれた音がした。
自分で結んだんじゃない。
廉が…
6人が結んでくれた。
そんな気がする。
次、私が気が付いた時、
それは既に朝を迎えていた。
そして、まさかの…
抱きついたまま、眠ってしまった。
私はすぐに避けた。
そして、何か恥ずかしくなって、
「すみませんでした」
と言い残して、
部屋までダッシュで行った。
『ちょっぴり番外編』
昨日の夜の事…
あの後、泣いて抱きついてきたあなたは、
そのまま俺の上で寝た。
その後すぐに、5人が揃って帰ってきて、
色々問い詰められたけど、
まぁ説明はして、納得してもらった。
その後は、結局何となく、
俺もこのまま寝る事にしたものの、
あなたが完全無防備に寝るから、
俺も理性を保つのに必死だった。
あんなに可愛い顔で寝られたら、
ホントたまったもんじゃないよ。
まぁそのまま、
俺はほとんど寝れず、
1、2時間しか寝てないと思う。
ま、いっか!
そう思う廉だった。
ちなみに…
夜中の3時過ぎ、
紫耀は、水を飲みにリビングに来て、
ドアを開けると、
凄い仲良さそうに2人が寝てるもんだから、
そのまま部屋へ逆戻りしたらしい。
カップルみたいだったなんて、
絶対に認めない。
そう思った紫耀だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!