相変わらず、
このアイツのヤクザの下っ端は、
本当にヤクザかと思うほど弱い。
恐らく雇いものだろうが、
それにしたって酷い。
見る限り、金はあるのだろう。
この弱い下っ端にも、
ちゃんとした武器を持たせてる。
でも、使い方までは教えてないのだろう。
銃も持ってるだけで撃ってこないし、
撃っても、起動がブレブレだ。
それに爆弾を20個用意するってなったら、
相当なお金が……
って、そうだ!
爆弾だよ!
20個仕掛けてあるなら、1つ足りない!!
どんだけ片付けても、
どんどん湧いてくる、この下っ端に、
私達は少し苦戦しつつ、
それでも爆弾探しを優先することにした。
私は、4人にそう伝えた。
隠れ鬼…そのままだ。
まぁ、今6人の居る中央ステージには、
その下に、4つの爆弾があるから、
避難してもらう。
そして、なんなら6人にも、
手伝ってもらう。
照明を使ってね。
数分後
さとみが戻ってきて、
私達の、その作戦は開始される。
その私の声は、
イヤモニから武楽の4人に、
そして、繋げたスマホから6人に伝わる。
コンサート中にも関わらず、
常にスマホを持ってて良かったと思った。
そして10秒後、
またも、一斉に電気が消える。
5秒後、すぐに電気は着く。
そう私達は、電気が消えた5秒の間に、
それぞれ隠れたのだ。
もちろん、こんなこともあろうかと、
5人全員が、会場の設計も見てある。
尚且つ、電気を消しても、
さとみのなら、暗い中でも目が見える。
随分と鬼が多い、隠れ鬼の始まり。
私達武楽の本番は、ここからだ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!