真莉愛side
はぁ?
自分は強くない?
えっ、何…
まだ私の事侮辱するの?
喧嘩を何百何千としてきて、
全勝、無敗なのに?
自分には才能が無い?
能力が無い?
なら、私なんて何も無いわよ。
ウザイウザイウザイウザイ…
なんなんだよ…
謙虚?そんなんじゃないだろ。
人をバカにして、侮辱して…
それを楽しんでるだけだろ…
本当に、虫唾が走る…
とてつもなくイライラする…
何年もコイツのことを、
恨んで、憎んできたけど、
ここまでイラッときたのは初めてだ。
死ねばいいのに…
死ねよ。
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
人間は、時に想像を遥かに超えた、
怒りを生み出すことがある。
その結果、その怒りは、
どうしようもなくなり、
ものに当たったり、
理不尽人に当たったりする。
場合によっては、
それが自殺の原因にもなりうる。
が、真莉愛は今、
その怒りが出せない状況にいる。
ものに当たるにも、床しか無い。
そして、理不尽に当たる、
人も居ない。
怒りをぶつけるとしたら、
この怒りを生み出した張本人。
そして、銃を向けている、
あなたしかいないのだ。
あなたside
知らない。爆弾の位置なんか。
私はコンサート中で、
結局爆弾は1つも見つけていないんだ。
ただ、メインステージ下に
運ぶように言っただけ。
でもそれを悟られたら、
私は死ぬ。
私の野生の勘が、そう言った。
バレてる…
それでも私は、必死に、
ポーカーフェイスを貫いた。
そして私達は、互いに銃を向けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!