あれから1ヶ月。
5月も中旬だ。
まだ5月だというのに、
梅雨のせいか、蒸し暑くて仕方ない。
異常気象が続いてる日本だけど、
大丈夫なんだろうか…
というのは、正直私にとっては
どうでもよくて、
シェアハウスを出てから、
廉とは1度も話していないし、
連絡もとっていない。
時々、海人から、
「廉がめっちゃ会いたがってるよ」
というLINEが来るが、
私は、会いたいのか、
会いたくないのか、よく分からなくなってきた。
1ヶ月のうちに、
あの因縁の相手(恋愛の)だった真莉愛は、
呼び捨てで呼び合うようになり、
案外仲良くなった。
最初は、絶対何が企んでるな
と思っていたけど、
1ヶ月以上経っても、
何もしてこないところを見ると、やはり、
ただ友達になりたかっただけなのだろうか…
今では、休日にも時々遊ぶようになり、
遊んでる時は、廉のことも忘れて、
楽しめるようになった。
ちょっと前までは、
今廉は何してるのかな…
って、ウザイほどに常に考えてたけど、
きっと廉は、
こういう真莉愛みたいな人が、
好きなんだろうなって思ったら、
少し楽になった。
前から薄々感じてはいたが、
やはり、廉と私は釣り合わなかった。
廉にはきっと、もっといい人がいる。
私なんかじゃ、勿体ない。
好きな人だからこそ、幸せになって欲しい。
だから私は、今日それを、
廉に伝えるつもりだ。
シェアハウス近くの公園
午後8時
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。