第307話

307話 切実な願い
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2019/09/14 15:08




それから、次の番組撮影の、

楽屋で、1人でいると、

電話が鳴った。

















プルルルル プルルルル プルルルル





画面には、“非通知”の文字。




最初は、すぐに切れるだろう、

と思っていたけど、中々切れないから、

出てみた。




東 〇〇〇
東 〇〇〇
もしもし…?
七瀬  花梨  (ななせ  かりん)
七瀬 花梨 (ななせ かりん)
Hijacked




その、少し特徴のある声で、

すぐに分かった。



レイ
レイ
七瀬…花梨……



プープープー







すぐに電話は、切れてしまった。


















七瀬が言った、“Hijacked”
















意味は、





























レイ
レイ
乗っ取った…



私は、嫌な予感しかしなかった。


次こそ、

本当にあの夢の通りになってしまう

そんな気がした。


































































































それから、番組の撮影や、

雑誌のインタビュー、

ラジオに出たり、

色んな仕事をこなしたけど、

気が気じゃなかった。













今すぐに帰りたくて、仕方なかった。



今すぐに、皆に会いたかった。

























そして、やっと家に帰れる。








そう思ったら、また電話がきた。











“非通知”


















レイ
レイ
もしもし
七瀬  花梨  (ななせ  かりん)
七瀬 花梨 (ななせ かりん)
complete
プープープー





そして、さっきと同様に、

すぐに切れる電話。















次に、七瀬が言った言葉は、





レイ
レイ
完成……


















私は、すぐに家に帰った。



マネージャーも忙しいから、

1人で地下鉄を使って。






とにかく、すぐに会いたかった。


怖かった。



お願い、お願いだから、

どうか、皆、いつも通りに、

うるさいぐらいに楽しく笑ってて…

















































































































































































あなたの、切実な願い。


それは、簡単に叶うものでは、

決してないのである。






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