他の歌手の方が、歌っている間、
隣の席から、ずっと、
呟かれていた。
そうやって言っても、
テレビに映る時は、
常に営業スマイルを続けた。
そして遂に、
私達の歌う番がやってきた。
そして、イントロが始まって、
紫耀が歌い出す。
この時、私は異変を感じた。
私の声が、全くをもって、
聞こえなかった。
でも、勘違いだと思って、
そのまま続けた。
そして、もうすぐで私の番。
マイクが入ってなかった。
咄嗟に大声で歌ったけど、
音程がどうだろうか…
サビは、何とか皆に任せるけど、
次のソロはどうしようか…
なんて、考えてる暇もなく、
こういう時に限って、
凄い早く感じる。
そして、歌が終わり、
もう最後の方だった為、
すぐに収録も終わった。
こうして、新体制の初ステージは、
幕を閉じたのであった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。