これは賭けだ。
私が生き残る可能性は低いが、
私以外は生き残る可能性が高い。
まずは1つ目。
2分の1の確率。
でもこの賭けは、恐らく私の勝ち。
これで、この賭けは私の勝ち。
この賭けも、私の勝ち。
でも、さっきからずっと、
ひっきりなしに、
廉達と、美桜達から話しかけられている。
「何言ってんの!?」
「ここで死んで、香恋はどうするのさ!」
とか、
『あなた!ダメだって!』
『俺1人じゃ、香恋のこと育てられへんよ…』
とか…
ず〜っと、ひっきりなしに言われてる。
でも、私はそれに無視をする。
言ったもんね。
最悪の場合もある。って。
廉は、私に構わず逃げてね。って。
だから…
廉がマイクを使って、
2階席から喋りかけてくる。
私は、常にこの女に銃を向けながら、答える。
一見、私が犯人みたいだけど…w
私がそう返してすぐに、
取り押さえられて、この会場から、
離される。
そして、全員が外に出ていった。
最悪の場合もある。
廉は私に構わず逃げてね。
まだ、これは最悪の場合じゃない。
廉も逃げた。
だから…
私も、このまま黙ってはいられない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!