何も考えずに言った言葉
誰に向けて…とか本当に考えずに言った
何となく分かってた
好きとか好きとか好きとか
食べ物の好き
友達の好き
そして恋人の好き
結命ちゃんと話してると何となく知ることが出来た
そう言って私の頭を撫でた
さすがにころにぃは避けてたけどw
分かるようで分からなくて…
だからって聞く気にもなれなかった
なんとなく聞かない方がいい気がした
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放課後、珍しく莉犬くんのサッカー部が休みだった
帰らなくていいの?って言ってもあなたちゃんと話してたいからって言われた
目の前の莉犬くんを見れずに窓の外を眺める
莉犬くんも私と同じ窓の外を見ていた
急に頬を掴まれる
私が変われば叶えれる願い
でも…勇気がないから叶えられないし叶わない
手を捕まれ保健室を出る
後ろを向いて微笑まれる
本当は怖かった
またあのクラスメイトに会ったら…
でもそんな不安は莉犬くんの笑顔でなくなった
久しぶりに椅子に座った
1番後ろであまり目立たない席
その人が悪いわけで教室が悪いわけじゃない
だから私は教室が好き
「俺はそう言ってくれるあなたちゃんが好きだよ」
……好き!?え?好き!?
どうしたの?って顔で言われる
そんな顔されたら聞けないよ…
そう席を立つと少しだけフラッシュバックする
思い出すと立っていられなくなって座り込む
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!