部室からみんなの分の少し薄めたスポーツ飲料を運ぶ
サッカー部は人気な部活動で他の部活より人数が多い
そう先輩が声をかけるとすぐ人が集まってくる
莉犬くんはこっそり私を木陰に連れてってくれた
部活している人が毎日キラキラ輝いて見えて…
私とは程遠いと思ってた
でも莉犬くんが変えてくれて…
そう言うと莉犬くんは驚いた顔をしてからへへっと笑った
莉犬くんがサッカーが好きなのはなんとなく知ってた
毎回怪我した時はサッカーで転んだとかだったし…
でも…好きな子が居るなんて知らなかったな…
誰?って聞いたところで教室に行ってない私が知るわけないし…
ぼーっとしながらも保健室に向かった
結局熱なんかなくて…
とりあえずベッドに横になる
その言葉が離れない
違うのに…
いじめられてる私なんか誰にも好かれないのに…
抱きつくと少し笑ってくれた
ななにぃに聞けば分かるかな…
じゃあ…莉犬くんが言う好きも一緒なのかな…
好きな子…誰だろ…
ずっと莉犬くんが頭に居るの…
おかしいよね…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!