恭平につられて来たアクセサリー屋さん。
店の入り口にあったネックレスの値札をなんとなく見る。
「 た、高くない……? 」
恭「 …あなたちゃんも一緒に仕事してますよね? 」
「 私はいつまで経っても貧乏性が抜けへんから… 」
お金はそれなりに貰ってるけど、贅沢するのが怖い、みたいな
" あの…清瀬あなたちゃん、ですよね? "
「 え?あ、はい 」
男性の店員さんに話しかけられて、少しビクッとなった
" 恭平くんとあなたちゃんって、なんか珍しくないですか?
美男美女だからすごい目立つし笑 "
「 そ、そうですか? 」
ふと、店内を物色していた恭平がこっちに近づいてきた
「 どうしたん? 」
恭「 見て下さい、これ 」
恭平の手のひらに乗せられているのはリング
「 うわぁ、これめっちゃいいやん 」
恭「 ですよね! 」
ニコニコしながら、私の指にリングを当ててくる。
うん。母性本能ブッシャアやな。
恭「 可愛いっす、あなたちゃん 」
「 」
……聞きましたか、全国の高橋恭平担。
いや、これはもう担当とか関係なくヤバいやろ
そんなこと言われたら妊娠してまうやん←
恭「 え、あなたちゃん、鼻血出てますよ!? 」
「 あ…ごめんね。大丈夫、嬉し鼻血やから 」
恭「 何すかその嬉し涙みたいな言い方… 」
優しく笑った恭平に、なにふぁむの気持ちが少し理解出来た
恭「 あなたちゃん、これお揃いで買いましょ! 」
「 いいよ〜 」
恭「 で、つけて帰りましょ!! 」
「 はいよ〜 」
そう言うと、恭平は嬉しそうにリングをレジに持って行った
うん。尊い。(真顔)
帰りの車で嬉しそうに自分の指についたリングを触る
恭平を見て、真剣にそう思った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。