第17話

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2020/04/22 07:22



それは、楽屋でたまたま見ていたドラマから始まった。




" ねぇダーリン♡ "



" なんだよハニー、そんな可愛い顔して♡ "








聞いてるだけで胸糞悪くなるシーンやったけど

とにかく暇だった。( 仕事中 )

どうしようもなく暇だったからそのまま見続けていた





メイク「 はい、あなたカフェラテ 」



「 あざーす 」






ただ眺めるようにそのドラマを見ていたら





" ねぇダーリン♡キスしてよ♡ "


" え~キスぅ~?しょーがないなぁ♡ "


" んっ、もぉ~違う!このキスじゃないぃ〜 "


" えぇ?じゃあどのキス?♡ "


" え~?3種類あるうちのぉ、1番激しいやつ♡ "




「 ブフッ 」



メイク「 ちょっと汚い!! 」






ちょっとまって衝撃なんやけど。

いや、何が衝撃かって、ハート表記が多すぎて

内容が入ってこないとかそういうんじゃねぇ、





「 き、き、キスに、種類があるのか…!? 」






信じられない

てっきり私は今まで唇と唇を引っ付けるだけが

キスだと思ってた



それなのに今このドラマの女は

" 3種類あるうちの〜♡ " なんて言いやがった



( いや、3種類が正しいかなんてわからない。

これは所詮ドラマの話。そうドラマ )





しかし画面の中でおっぱじめやがったキスは

狙ってなのかなんなのか映してくれなかった




「 はぁん!?大事なとこ映さねえの!? 」


メイク「 ちょっとさっきからうるさいで?! 」


「 なぁ!!キスって何種類あるんや!? 」


メイク「 …… は?? 」







すっごい顔されたけど気になるんだから仕方ない

私こんなに顔可愛いけど男経験皆無なんよね




1番青春できる時には既にアイツらと一緒だったから、

恋愛もくそもなかったんやわ。





メイク「 種類……? 」


「 ドラマは3種類って言ってるんやけど 」


メイク「 … いや、キスする人によるんちゃう? 」






( ……なんてこった )





つまり、キスとは自分の力でいくらでも

種類を増やせるということなのか… 




「 し、知らなかった、

その人のスキルで違ってくるのか……!! 」



メイク「 スキルとかあんま言うな 」






大「 お疲れ様です 」




大吾の声が聞こえて、素早くテレビの電源を切った。




( …… 待てよ )



恐らくメンバーの中で1番知識があるのは大吾か丈だ。

なんでその2人なのかは詳しく言われへんけど





「 …… 大吾 」


大「 ん? 」



「 大吾は何種類キスできる? 」 ( 唐突 )

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