それは、楽屋でたまたま見ていたドラマから始まった。
" ねぇダーリン♡ "
" なんだよハニー、そんな可愛い顔して♡ "
聞いてるだけで胸糞悪くなるシーンやったけど
とにかく暇だった。( 仕事中 )
どうしようもなく暇だったからそのまま見続けていた
メイク「 はい、あなたカフェラテ 」
「 あざーす 」
ただ眺めるようにそのドラマを見ていたら
" ねぇダーリン♡キスしてよ♡ "
" え~キスぅ~?しょーがないなぁ♡ "
" んっ、もぉ~違う!このキスじゃないぃ〜 "
" えぇ?じゃあどのキス?♡ "
" え~?3種類あるうちのぉ、1番激しいやつ♡ "
「 ブフッ 」
メイク「 ちょっと汚い!! 」
ちょっとまって衝撃なんやけど。
いや、何が衝撃かって、ハート表記が多すぎて
内容が入ってこないとかそういうんじゃねぇ、
「 き、き、キスに、種類があるのか…!? 」
信じられない
てっきり私は今まで唇と唇を引っ付けるだけが
キスだと思ってた
それなのに今このドラマの女は
" 3種類あるうちの〜♡ " なんて言いやがった
( いや、3種類が正しいかなんてわからない。
これは所詮ドラマの話。そうドラマ )
しかし画面の中でおっぱじめやがったキスは
狙ってなのかなんなのか映してくれなかった
「 はぁん!?大事なとこ映さねえの!? 」
メイク「 ちょっとさっきからうるさいで?! 」
「 なぁ!!キスって何種類あるんや!? 」
メイク「 …… は?? 」
すっごい顔されたけど気になるんだから仕方ない
私こんなに顔可愛いけど男経験皆無なんよね
1番青春できる時には既にアイツらと一緒だったから、
恋愛もくそもなかったんやわ。
メイク「 種類……? 」
「 ドラマは3種類って言ってるんやけど 」
メイク「 … いや、キスする人によるんちゃう? 」
( ……なんてこった )
つまり、キスとは自分の力でいくらでも
種類を増やせるということなのか…
「 し、知らなかった、
その人のスキルで違ってくるのか……!! 」
メイク「 スキルとかあんま言うな 」
大「 お疲れ様です 」
大吾の声が聞こえて、素早くテレビの電源を切った。
( …… 待てよ )
恐らくメンバーの中で1番知識があるのは大吾か丈だ。
なんでその2人なのかは詳しく言われへんけど
「 …… 大吾 」
大「 ん? 」
「 大吾は何種類キスできる? 」 ( 唐突 )
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。