あぁ…やっとショッピングモールが見えてきた…
こんなに歩いたのいつぶりだ……(((15分です)
もちろん、歩いている時は一言も話さなかった
すると、大通りに出たところでそらびびが足を止めた
うん?どうしたんだろ
振り返るとそらびびは俯いて足は小さく震えていた
……ハッ、もしかして人間が多いからか!
そうだそうだ、あっきぃから聞いた話によると
そらびびは多人数のところは苦手だ
私は急いで人通りが少ない所へ震えているそらびびを移動させ、抱きしめる
普段は背が高いけど今はそらびびが
しゃがんでいるから、包むように抱きしめるられる
「よしよし、ごめんね大丈夫だよ私が居るから」
私はそっとそらびびを撫でる
しばらくするとそらびびの震えが止まった
そ「…………」
そらびびは落ち着いたのか立ち上がる
「どうしようか、帰る?」
そらびびは首を横に振った
そ「いい。だってまた来るの体力的に無理でしょアンタ」
ウッ……
息が上がってるのバレたか
「わかった、そらびびが言うなら行こう」
そ「あ、でも、」
「ん?」
そ「手繋いでて欲しい」
わぁお……
そっかそっか…
猫だから恥ずかしがらずに言えるんだよねぇ…そういうこと…
私はそらびびの手をとり、変装がバレないように建物の中へ入った
いや、これで私ってバレたら匂わせとして炎上してまうよ……
— — — — — — — — — — — —
無事買い物がすみ、外は日がくれてきて寒くなってきた
バレてなければいいけど……
そ「ねぇ、あのさ」
「ん?」
私は立ち止まる
そ「その…さっきはありがとう」
ちっさッッッッ
今、車とか通ってたら絶対聞こえなかったわ
でも、最初に比べたら随分気を許してくれてるみたいだ……
「どういたしましてっ!私からも今日付き合ってくれてありがとう!」
私は思いっきりニッコリした
はぁ……ここからまた家まで遠いなぁ……()
と、私が気を重くしていると
ドサッ
ん?
振り返るとそらびびが猫の姿になって倒れていた
「え!そらびび!!!」
駆け寄るとそらびびから規則正しい呼吸が聞こえてくる
どうやら寝ているようだ
きっと人間との触れ合いに疲れたのだろう
「よかった…体調悪くなったわけじゃないみたい」
てか、今のそらびびが猫になるの他の人に見られてないよね?
大丈夫かな?
見た感じ、周りには誰もいない
私はそらびびを抱き上げ、2人の居る家急いで帰った
「おつかれさま、そらびび」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。