第26話

25話
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2023/02/10 13:55


及川 𝒮𝒾𝒹𝑒




岩泉「帰るぞ、及川。」








あなたがいなくなってから、毎日がもの足りない。



バレーをしてても、笑っていても。どこか満ち足りなくて。







 “ ずっと、バレーが嫌いだった。 ”








……そんなの。







 “ バレーって面白いね!かっこいい! ”






…っ、そんなの。
















及川「信じられるわけ…ないだろっ。







今までのあなたと今のあなた。



どっちを信じるかなんて、そんなの考える必要もない。







 “ 私もウシワカムカつくぶっ倒せー!! ”







…ねぇあなた。



俺、知ってるよ。



あなたが、“ちゃんと”バレーを愛してたこと。



ちゃんと、本気だったこと。






 “ 徹っ!サーブ教えて!!  ”


 “ おっ、あなたもついにやる気になった!?
   及川さんがいくらでも教えてあげるっ! “


 “ 徹の顔に本気の1本ぶつけたい! ”


 “ なんで!?なんのために!? ”






……あの日々が。あの笑顔が。



偽物だったなんて、信じないよ。俺は。



あなたがなんと言っても。俺は絶対に信じない。







及川「岩ちゃん。俺、やっぱあなたのこと……。」


岩泉「あぁ、俺もだよ。」


及川「……うん。」








 “ 私、及川のこと信じてる。 ”


 “ 私が知ってるセッターで、
     及川は1番凄いセッターだよ! ”








及川「・・・。」








俺自身、自分で分かってる。



ただ現実から目を背けていたこと。



……分かってるんだ。



あなたが何かを隠していて、



それが、俺たちのことを思ってだってこと。



俺がどれだけ。何年あなたのことを想い続けているか。



それでいて、どれだけあなたのことを傷つけたか。



……ちゃんと、分かってるさ。



俺がどこまでも、どうしようもない男だってこと。








及川「…俺、もう1回あなたに会ってちゃんと話す。」


岩泉「俺も行く。俺も納得行ってねぇからな。」







岩ちゃんだって思うことがあるのだろう。



覚悟を決めた顔で俺にそう伝えてきた。







松川「なぁ花巻、俺らのいないとこで勝手に話進めてんだけどどうします?」


花巻「とりあえず及川に顔面サーブかな。」


松川「それだ。」


及川「ちょっと君たちなんて物騒な話してんのさ!!」






後ろから聞こえてきた会話。


2人に指をさしながらそう叫ぶと2人はポケットに手を突っ込みながら微笑んで、







花巻「俺らは及川たちに比べるとあなたとの付き合い短いけど───」

















花巻「信じてんだよ、ちゃんと。」


松川「そーいうこと。」







………あぁ、ほんっと。







及川「そうこなくっちゃね!!」







良い仲間を持った。



















花巻「まぁとりあえず1発ずつ及川の顔面にサーブぶつけとく?」


及川「なんで!?」






前言撤回、コイツら酷い!!








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