あたしはここに留まることを決めた
そのことを、親友である花に言ってみた
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花はこんな感じだったけど……
何を言いたかったんだろう?
そんな時突然父から電話がなった
プルルルル……
ここであたしの全ては消えた
時間がとまった
あたし達どうなるの?
そうして、父はそれだけ伝えて電話をきった
そして、その後また誰かから電話が掛かってきた
母からだった
プルルル……
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そう言うしかなかった
この事は、誰にも言わなかった
もちろん、親友である花にも……
その翌日
母が言っていた通り会議が開かれた
記者達が、集まっている
人の視線を強く感じる
『なんで、倒産するんですか?』
『社員をどうするんですか?』って声が聞こえる
その場に居たあたしは何も答えることが出来なかった
そのニュースをみて知った花が心配で駆けつけてくれた
確かにその通り……
答える言葉が見つからない
どんな顔して、世間に出ればいいんだろう
ただ、何もせず引っ込んでいるわけでもいられない
待ってたって物事は片付かないから……
ただ、“生きていくため,に、今まで馬鹿にしてたが自分のために働くことにした
だけど、仕事先なんで見つからなかった……
そんな状態を知っている花からいつも『大丈夫?』とメールが届く
『大丈夫だよ』とだけ、返信するが
働き場所なんてなかった
今まで、完璧な世界で生きていたからか……
こんなあたしを受け入れてくれる人なんていない
結局宛もないまま、バイトへ向かった
バイト先へつくと真っ先に平野くんが声をかけてくれた
ニュースを見たのかしら……
その言葉が何より、嬉しくて悲しくて
そんなことが許されるの?
その言葉がこんなにも嬉しいなんて
優しいな。
あたしは、本当の優しさを知らなかった
あたしが感じていた幸せって何だったの?
あたしの、“幸せ"は幸せでは無かった……
見掛けだけ
綺麗に見られるための
全てが飾りだった……
その、常識をあなたは覆してくれた
ありがとう……
だけど、そのニュースをみた1部の方は
口を揃えてアンチをする
ネットの声も上がっている
あたしを応援してくれていた方も……
その現実があたしにとっては耐えられないものだった
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それから、数日後
ネットの声は、声だけじゃ収まらなくなった
『行動』もでてきた
仕事終わり、帰っていると見ず知らずの人間から罵倒を浴びた
これが、可愛いものだと知らずにあたしはその日を終えた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。