あたしは、昨日
見ず知らずの男性から罵倒を浴びた
もちろんこんな経験初めて……
だけど、あたしはスルーした
これからは、強くなる必要があるから
だけど、その時何故か母でもなく父でもなく
平野くんが、頭の中を駆け抜けた
だってどんな時でも、助けてくれて庇ってくれて叱ってくれたのは親じゃなく平野くんだから……
この気持ちが恋じゃないならなんて言うの?
ドンッ!!
どこかに閉じこめられてしまった
ここはどこ?
辺りを見合わせても何も無い……
広くて、寒くて
真っ暗
何故?
会社が倒産したから……?
そんな理由で、被害にあうの?
何故……
携帯!携帯どこにやったっけ?!
確か、ポケットの中に……
探しても見つからない
盗まれた?
襲われた時に
どうしよう……連絡が取れない……
誰とも
コツコツ……
人の足音が聞こえる
誰?
慌ただしい足音
加速する
なにかしているのかな
え……?
何故、平野くんが?
めいいっぱいの声でさけんだ
届いて欲しくて
聞こえて欲しくて
精一杯
あたしの声聞こえたかな……?
遠いようで近いようで……
声がする
安心する声……
実はここ、壁が分厚くて声が通らない……
そして、隣に部屋がある
きっと平野くんはそこにいるのだろう……
もしかして、閉じこめられてるの……?
聞こえるか聞こえないか。
か細く声が聞こえた
聞き取るのも、精一杯だ
どうやら、予想通り平野くんは隣の部屋にいた
だけど、ここの壁は分厚くてなかなか声が通らない
だけど、霞んだ声でも少しでも聞こえたことに喜びを感じる
そんなのわかんない
そういった時、電話の着信音がなった
誰?
自分の携帯はいくら探しても、見つからないのに
なんで、携帯電話が鳴るの?
誰の?
あたしは、分からないまま携帯をとる
その、電話に出た
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そう言って電話は切れた
なにもの?
そんなこっちが聞きたい
あなたは、誰??
だけど、きっと紫耀くんの熱烈はファンだろう
紫耀くんの名前がでてきたから
そう、判断しただけだが
それからずっと、この不思議な電話は鳴り止まなかった
平野くんのファンかしら
プルルルル
なんでこんな事態に……?
そうして、けんけんが人を呼んできてくれた
あたしは、マネージャなのに……
そうすると、隣の部屋にいた紫耀くんが駆けつけてくれた
いつも守ってもらうばかりだな……
この、事態はもちろん世間に知れ渡った
こんなもの、世間がほおって置くわけがない
翌日、テレビで報道された
そうしてあたし達は、熱愛として知れ渡った
どちらにしても、最悪だ
なのにどうして、あたしは少し喜んでいるんだろ……?
絶対ちがう!!
そう思う程に、悲しさが膨れる
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。