第9話

Seven/5/30訂正しました
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2021/05/30 05:09
学園長室から出ようと思ったとき、急にあっ!と声を上げた。
学園長
そういえば、一つ頼み事をしてもいいですか?
あなた
頼み事…ですか?
学園長
時間を考えて監督生君だけ寮で先にお話します。
貴方がたは購買に寄ってからで良いのでなるべく早く来てくださいね。
監督生(ユウ)
んじゃ、分かれるか。
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学園長に購買までの地図を貰い、制服にそれぞれ(トイレで)着替えて向かった。
にしても学園長意外としっかりしてたな…


まあ、それ程良い人がこの学園に居るとは限らないし、そもそも本当にいい人なのかも解っていないからな…


まだ安心はできないから気を引き締めていこう…


それに都合のいいことに"私"を隠したまま生活をすることができる反面その事実を明らかには今更出来ないしな。
ユア
あなた…
あなた
ん?どうした?
ユア
あなたって女の子だよね…
あなた
う、うん。
ユア
名前も隠してるんだよね…
あなた
隠しているというか……
まあ、聞かれない限り答えないようにしてるね、怪しい人以外は
あなた
ユア?
ユア
私守られてていいの?
おんなじなのに、差別みたいにしちゃって。
……………まあ唯一の女友達だしね



片方が隠してて自分だけ良いのかってことか。




隠しているのはまだ良くわかっていない信用の置けていない場所でまださらそうとは思っていないし、自分の元々の性格もあるし




ここまで来ると一つの趣味みたいなものだ。


もう自分にとってこれが日常だし。






それに……
あなた
もともとの"私"はその事情のせいで君たちの前でしか晒すことが出来ない。まだ隠していることだってあるし、これからまだ話さないといけないことだってある。それを隠してくれているのであれば十分。これはお互いに利益があることだからね。


勘違いしないでほしいのはこれは互いが友達であるからではなく、互いに同じだけの利益があるから。





友達ではないの?と聞かれるとそうではなく、信用できる相手だからこそ成し遂げることができる。





この仕組みを自分は好んでいた。
だからこそユアに対して自分が女だ、ということを話した。



これならお互いに負担がかかりにくい。



バレたときはその時で対応すればいいし。
ユア
そっか。なら安心だね。
そう言ってユアは困り顔で笑った。




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ようこそ、Mr.サムのミステリーショップへ!


購買に着いたかと思ったら急に人が現れた…



でもよく考えたら購買に人がいないなんてあり得ない



急にというところには納得がいってないが取り敢えずこの人が購買の人だということだろう。
あなた
えっと…名前は…
サム
あぁ、初めてのお客さんか!
俺はサム、ここのマスターさ!
よろしくね、小鬼ちゃんたち。
ユア
(こういう仕事ってマスターっていうものなのかな…?)
あなた
こ、小鬼ちゃん…
呼び名は人それぞれだけれどもこんな呼び方する人もいるんだな…
サム
InStockNow!!!
探しものはこれだろう?
そう言ってサムさんが取り出したのは2つの大きな袋だった。
あなた
これは…
サム
学園長から必需品を買うように言われたんだろう?
秘密の仲間が教えてくれたんだよ。
中にはルームウェアに下着、歯ブラシ…などが入っていた。ユアの方には女性ものの下着やそれこそ女の子の日特有の必需品も入っていた。
サム
あぁ、安心して。
それが足りなくなるようなことがないように月イチで送っとくからさ!
ユア
あ、ありがとうございます…!
どうやらここのは女性に優しい世界だったようだ。
あなた
んじゃ、行こっか
サム
ああ、短い髪の小鬼ちゃんはちょっと残ってくれるかい?
あなた
え、自分ですか?
なんだろう…
あなた
ユアは先に行ってて。
ユア
えっ…でも
あなた
大丈夫だから。それに、ユアに制服を着せたのはユアの身を守ることが出来るからだよ。
あなた
それに、自分のみを守ることなら出来るからさ。
ユア
……うん、分かった。
気をつけてね。


ユアが行ったのを見送り、サムさんに体を向けた
あなた
それで、話というのは?
サム
小鬼ちゃんはfemale(女)だろ?
あなた
!?
何で話してないのにこの人が知ってるんだ?
サム
秘密の仲間が教えてくれたんだよ!
何でもありだなその秘密の仲間。



やっぱ魔法の世界だから仕方がないのか?




とするとバレるのも時間の問題ってわけか。
サム
そんな小鬼ちゃんにサービスさ。
あなた
サービス?
そう言って渡されたのは小さな小瓶と香水だった。
サム
これは女を男と思い込ませることができる薬と香水さ!
あなた
えっ?
サム
この学園には獣人や人魚が居てね、その香りで女ということを見抜いてしまうのさ。
サム
そんな小鬼ちゃんにプレゼント!
これを飲めば、かければ、事実を理解している人以外そう思い込ませることができる、副作用なしの薬と香水なのさ!
あなた
でも…支払えるものがありませんよ?
サム
Noproblem!
君には一週間に2,3回はここで手伝ってもらうからね。そうすればフェアだろう?
すごいおまけしてもらった感あるけれどもこれで本当に心配いらなくなるね。


お互いに都合がいいし。
あなた
そうですね、ありがとうございます!
サム
あ、小鬼ちゃんにもこれ渡しておくね。
そう言って渡されたのはユアに渡されたものと同じものだった。そして…
あなた
Bホルダーまで…
あなた
本当にここまでしてくださりありがとうございました!
ここでの手伝いも一生懸命やらせて頂きます!
サム
thankyou!
君の未来に幸運あれ!
##############





その後急いでオンボロ寮に向かった。
あなた
結構遅れちゃったな…
ドアの前に立つと中から何やら話し合うような声が聞こえた。
ガチャッ…
あなた
ただいまー…
ユア
あ、おかえり…




そこには資料とホウキに乗ろうとしているグリムと地面に寝そべりながらグリムを見守っている二人がいた。
カオス。

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