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第1話

君は忘れる
17
2018/03/21 17:16
 俺は神谷大地。
どこにでもいる普通の高校生だが、1つだけ普通じゃない所がある。
それは、俺の幼馴染、鮎川あくるが1日で記憶がリセットされてしまうことだ。
あくるがそうなってしまったのは3年前のある夏の日だった。




「おーい。あくるー」
「ちょっと待ってよね。大地は男の子だけど私は女の子なんだからー」
そんな何気ない会話をしながら俺とあくるは2人で山を登っていた。
俺とあくるは登山部という部活に所属していた。中学に登山部があるのはこんな田舎くらいだろうと思っていた。

しばらくして、あくるが俺を呼んだ。
「ねえねえ。あの下に洞窟みたいな所があるんだけど行ってみない?」
確かに見てみると洞窟らしき所があった。だけど、そこまで行くのは少し厳しかった。だから俺は行くのを否定した。
「危ないからやめておこう。また後でこればいいじゃないか」
それでもあくるは行きたいと行った。
「えー行こうよー」
仕方がないので俺はここで待つことにした。


10分くらいしただろうか。あくるが戻ってくる気配がない。
俺は心配になりあくるが向かった洞窟のある場所へ降りていった。
そこにはあくるが頭から血を流して倒れていた。
「おい!あくる!しっかりしろ!おい!」
俺は必死に叫んだがあくるの反応はない。
病院へ連絡して、すぐに来るよう頼んだ。
ここは山の麓付近だったのですぐに来てくれた。



俺はひと安心したとこであくるが寝ている病室に向かった。
そこではあくるは起きていた。
俺はすぐに駆け寄りあくるの手を握った。
「あくる!大丈夫か!?ごめんな。俺があの時止めていれば……」
俺はあくるに何度も謝った。
だがその声はあくるに届かなかった。
あくるは俺を初めて見るかのような目でこういった。
「あなたは誰?」


そう、あくるはこの日から記憶を1日でリセットしてしまう体になってしまったのだ。
















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