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第25話

記憶。
藤千代side



(藤千代15歳)



もう、お金が無いの…、、


悲しげな母の瞳。


いつもより暗い色をしていた。


ガチャ)


知らないおじさんたちが家に来た。
ごめんね、ごめんね…



そう、私は売られたんだ。


母に捨てられた。




これで、家族の生活が楽になるなら。



これでいい。これでいいんだ。


藤千代
ううん、母さんは悪ないよ?(ニコッ)


精一杯の笑顔を見せたけど、

作り笑いだ。



私がいらないから売られたんだ。



なんで私なの?



なんで…?






これからどうなるんだろう。





母は私事なんて見ずに家に戻って行った。
おじさん
さぁ、お嬢ちゃん行こうかぁ~(ニコォ)


気持ちが悪い。



触らないで。こっちに来ないで?



おじさん
逃げるんじゃないよ~


こんなことなら、死ぬほうがマシ。



なんて思ってたところやったんやけど、
藤千代
…!?

気づけば、見たことも無い場所にいた。



え?どこ?



さっきまでいた気持ち悪いおじさん達もいない。





その代わり、知らない男の人が私の前にいた。
もう大丈夫やから。な?(ニコッ)



その笑顔は、今まで見た中で一番綺麗で。



ずっと見ていたい。





優しく微笑んでくれたあと、


そっと頭を撫でてくれて、それにすごく落ち着いた。



藤千代
えい!
ろぼ影
上手いやん!(ナデナデ)
藤千代
ほんとー?
彼は忍者でろぼ影と言うらしい。



彼は優しくて、ほめてくれる。



それがすごく嬉しかった。




私が売られなかったらこの人と出会え無かった。



そう思うと、

さっきの悲しい気持ちはどこかに行ってしまった。

藤千代
私、忍者なりたい!
ろぼ影
ほんなら、修行やなっ!
俺が稽古取ったるわ!!
藤千代
やったぁ!
ろぼ影
頑張ろな?
あ、名前聞いとこうか?教えて?
藤千代
…。
名前、なんだっけ。

名前、そんなのあったっけ。



いつから名前なんて呼ばれてへんねやろ。




もう、覚えてないや。





売られるために生まれたんだ。


そんなの必要ないよね?



ろぼ影
…、名前っ、俺がつけたる。
藤千代
え?
ろぼ影
藤千代。へへ。忍者っぽいやろ?笑
ろぼ影
君の家の裏に綺麗な藤が咲いてたから。


嬉しかった。




必要とされてるみたいで。




ここにいていい。


生きていていいよって言われてるみたいで。


藤千代
ありがとう。



この名前、大切にする。


______。