第12話

クルーウェル先生と律
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2021/01/22 11:00
クルーウェル「子犬ども、躾の時間だ!」
メイ(クルーウェル先生の言動は誤解を招きそうな言い方だけど…私個人としては、良い先生だと思う)
メイ(だから…頑張ってみようと思っている…)
以前でも実験(授業)中、ツイステッドワンダーランド(異世界)に来てからは律の世界の違いが激しく、見たことの無い薬草を実験に使う事も珍しくなかった。


そんな薬草などを必死に暗記しても、魔法を使う実験はかなり困難。(だって…この頃はグリムが授業中、教室を飛び出すし…まともに勉強してくれなかったから、律1人で実験をやる羽目に)
ー〜
律「…えっと…ヽ(;▽;)ノ」


クルーウェル「子犬!俺が魔法でサポートしてやるから、お前はこの薬草の混合について取り組め。」


律「は、はい」
クルーウェル先生は魔法が使えないと、かなり困難な箇所(かしょ)等は、全面的にサポートしてくれた。


律「あ、ありがとうございます。」


クルーウェル「この子犬はお礼を言えるのだな。いい子だな。」


そう言って頭を撫でてくれたことを思い出す。
律(自殺未遂の件で、学校をお休みしてたから…クルーウェル先生の授業は久しぶりだな。)
クルーウェル「久しぶりだな子犬」
律「はい…あのっ、」
謝罪を口にしようと思った瞬間
クルーウェル「すまなかった…あの時、お前の悩みに気付いてやれなくて…」
律「!」
律「い、いえ…元々私の弱さが故に起きたことですし、…」
クルーウェル「……」
クルーウェル「律、自分を貶めようとするな。」
律「え、でも…」
ポンッ
クルーウェルは、律の頭に手を置くと撫で始めた。
クルーウェル「今までよく頑張ったな。」
クルーウェル「お願いだから…もう、1人で抱え込むな…。」


クルーウェル「困った事があったら、話はいくらでも聞くし、協力も子犬の為なら惜しまない。分かった?」
律「!……」
クルーウェル「…子犬、返事は?(=_=)」
律「は、はい!‪Σ( ˙꒳​˙ ;)」
そして、授業を再開。以前も律に付きっきりだったクルーウェルだったが、自殺未遂事件があってから、もっと過保護になった気がした。
ー〜
授業が終わり、
律「ごめん、2人とも。先行ってて」
エース「分かったけど…最近「先行って」て、ってゆうセリフ多くね?」


以前は、3人ほぼずっと一緒にいたけど、自殺未遂から律1人での行動が多くなったな。と、思う3人(グリム・エース・デュース)
律「え!?」
エース「何かあったのー?」
デュース「困ってる事があるなら、何でも言ってくれ!」


グリム「そうなんだゾ!」
律「あ、大丈夫だよ…ごめんね。心配させて…」
エース「…」
律「すぐ戻るから、」
と、言ってクルーウェルを追う律の様子を目の当たりにして、
3人は、無力感を覚えたという…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
律「あ、あの…クルーウェル先生、」
クルーウェル「ん?どうした?」
律「クルーウェルの授業は、魔法薬学なので、色んな薬品などがあると思うんですけど…」
律「もし良かったら、その薬品を少し分けてもらったり、出来ますか?」
クルーウェル「…ここにある薬品は、時に命を取りかねない。」
クルーウェル「分けてやったとして、まさか自分の体を傷付けるためでは無いよな?」
律「はい」
クルーウェル「ふぅー」
クルーウェルは、軽い溜息を零すと…
クルーウェル「良いだろう。ただし、薬品を使う時は俺のいる目の前でする事。そして、自分の体を傷付けない事。これは譲れない条件だ。」
律「分かりました。」
律「クルーウェル先生は…私に薬品を分けてもらいたい理由を聞かないんですか?」
クルーウェル「ああ、お前は(自分を傷つけることがあっても、)人を傷付ける為に薬品を利用する奴では無いからな。」
クルーウェル「それに、今日言っただろう。」
クルーウェル「協力は惜しまないと、」
律「!」
律「あ、ありがとうございます。」
律「ふふっ、❀.(*´▽`*)❀.」
クルーウェル「ふっ、やっと笑ったな。(ボソッ)」
律「?」
ー〜
律「失礼しました。(*' ')*, ,)ペコリ」
そうして、クルーウェル先生(魔法薬学)の教室を退出したのだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
律は今騒がせている原因不明の病気事件をこう思った。
律(多分、藁人形を持っていた人達は悪霊に取り憑かれたんだろうな。そして…悪霊等は本来私たちの世界に住んでいる生き物だから…)
律(この世界の魔法では、私達の世界のモノに対抗出来ない。だから、悪霊の邪気で衰弱した体に病原体を取り入れてしまったとして、体に少しでも邪気が残っている限り、治療の魔法などは跳ね返され手の打ちようがない。)


律(邪気を取り除き、その後に病原体を治していかないと体の回復見込めない。)と、考えている。
律(だから、悪霊等の私の世界にいたモノは、私にしか払えない。)
何故ここまで結論が出せたかと言うと、まだ日本が悪霊などはまやかしだと決めつけ、病原体の治療だけをひたすら手を尽くし…その結果、多くの人が苦しみながら死に至る様子を見送った。
そう、まさに今(ツイステッドワンダーランドの世界)で起きているのと同じ。
その後、陰陽師がどれほどの(人ならざる)力を持っていたのか世界でも立証され、今では陰陽師・魔術師は世界で貴重とされる人材国宝とされているほどだ。
だけど、問題はその後だった…

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