あなた…どこだよ…
どこ行ったんだよ…
お願いだよ。俺のとこに戻って来てよ。
俺のところに戻って来るのが怖い…?
もしそうだったらごめん
本当にごめん。
でも俺はずっとあなたが好きで
大好きで
ずっとそばにいて欲しい。
俺はあなたにネックレスをあげたところに行った。
あなたの…
思い出の場所って…
もしかしたらって思って…
街全体が見える綺麗な場所
俺が改めてあなたに告白をした場所
あなたにとっても俺にとっても
大事な場所
街の方を向いて置いてあるベンチ
そこには
彼女が座っていた。
彼女は振り向いた。
とても驚いているようだ。
そして悲しんでいるようにも見え、
怒っているようにも見えた。
でもすぐに目に涙を浮かべていた。
俺はあなたに向かって走った。
そして今までにないくらいに強く
あなたを抱きしめた。
それから俺たちは
日が暮れるまでその場所に居て
綺麗な街を2人で眺めた。
その場所は
2度の思い出の場所となった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!