"東卍に、お前の力を貸してほしい"
理由は?
"東卍は今対芭流覇羅戦に向けて準備しているが、
人手が足りない…お前1人で200人は行けるだろ"
あんまり盛らないで欲しいんだけど
"とにかく、今フリーなら、東卍に入ってくれ"
まぁ、いいよ
でも、それが終わったら
それっきりだけど
"あぁ、構わねぇよ"
そう会話をした
それだけ
…なんで
あ?
何で稀咲は自らあなたさんを
東卍に入れたのに、引き抜こうとしてる
まぁ、これ聞いてるとそうなるよな
…確かにな
どうやら怒りは治まりつつあるのか、私の服の襟を
掴んでいた腕はパッと離された
知ってる?稀咲は芭流覇羅の
総長だったんだよ
……は、?
まじかよ
(やっぱりそうだったんだ…!)
多分それを知ってる私を排除したくて
あんなことドラケンに言ったんだろ
……
どうやら与えられた情報に頭が混乱しているんだろうな
人の手を汚さず自身は頭で、玩具を
無意識的に動かしてる
その被害者の1人が…
ドラケンのデコをとん、と人差し指で突く
あんた
ッ!!…どうしてそんなに知って…
"彷徨う狂犬"
…
人は噂を好む
その噂はどんどん広がっていく
不良でも不良でなくても
私が今まで入った族は嬉しがった
私がこの異名を持ってるから
強いから
更に、そいつは女だから
女の癖に強いのは
ビビるでしょ?
でもいつからか…
皆は私を恨むようになった
特定の族に入らず、入っては退けを
繰り返したから
裏切り者だと
ッ、
スパイだと
……
最初に必要としたのはあんたらの癖に
あいつらは
私をなんだと思ってんだろうね
ッ!!あなたさん!
道具?それとも化け物?
それか…ッ
…それを言ってんだよ
ポン
…多分お前が思ってる以上に
その言葉は苦しかったよな
ごめんな気づけなくて
……
白い布団にシミができる
泣いてるんだ
そう思った
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