第8話

本当は、
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2020/05/30 01:42
そこに居たのは












「…蛍」















今1番会いたくて同じくらい会いたくなかった人












「…黒尾さん…?」















「…じゃ、俺たちはこの辺で…行きますよ木兎さん」

「おう!」

「…月島。ちゃんと話し合いなよ」




















「…どこから、聞いてたんですか」

「全部聞いてた。…蛍」

「…やめてください」

「蛍」

「やめてって言ってるでしょ!僕達もう終わりなんです!」

「別れたいって言われてない」

「っじゃあ今言います!別れてください!」

「なんで?」

「僕もうしんどいんです!苦しいんです!だから…だからもうやめたいんです!」

「…俺の事嫌い?」

「何言ってるんですか!黒尾さんなんて…黒尾さん…なんて…っ」

言えない。嘘でも”嫌い”なんて

「…ほーら言えない」

黒尾さんはゆっくり、1歩ずつ僕に近ずいてきた

思わず後ずさりしてしまった

「…逃げないで、蛍」

気づくと僕は黒尾さんの腕の中にいた

「…なぁ、蛍。ちゃんと話そう?蛍の話ちゃんと聞くし、蛍が別れたいって言うならちゃんと2人で決めて、スッキリ別れよう。だから、いなくなるのだけはやめてくれ…」

やっぱり…

「…だ」

「え?」

























「…やだ」

「僕は…黒尾さんと一緒にいたい」

















黒尾さんは僕の返事を聞いた途端、僕を強く抱きしめた

「蛍…っ!」

僕はそっと黒尾さんの背中に腕を回し抱き返した

「ごめ、ごめんな、さい、ごめんなさい、黒尾さん、ごめんな、さい、ごめんなさい…」

「謝んないでいーよ。その代わりって言っちゃなんだけど、今度からは黙って家出するのとかやめてくれる?すげぇ心臓に悪いから」

僕は全力で頷いた















「じゃ、帰ろっか。俺たちの家に」

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