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第1話

~第壱章
13
2021/05/10 02:16
京
………!
僕は一瞬にして目を奪われた。

ーそう、あの人が食べられたらどんなに美味しいか。

こんな話を聞いたことがある。
京
「愛された人間は何よりも美味しい」
そう呟いた瞬間、僕はあの人の家族を殺していた。

あの人は突然の事に頭が追いついていないのか、呆然と立ち尽くしている。

そう……そんな顔も好きだ。絶望に満ちたその顔が。
京
僕とずっと一緒だよ。君を幸せにしてあげる。
時雨
時雨
ぃ……ゃ………嫌だ……!
嗚呼、泣いている顔もいい。愛おしい。
時雨
時雨
誰……なんで殺したの……ねぇ…っ!
京
何って、君を愛したいからだよ?
京
あの家族みたいに狂わせようとしているところに君を置いていけない。
僕が君を守ってあげる。
時雨
時雨
な………んで、なの………何でだよ……ッ!!!
時雨
時雨
テメェに何が判るって言うんだ!おい……っ!聞こえてんのか!
泣きじゃくる顔も好きだよ。

僕は君の色んな顔が見たいな。

喜びに満ち溢れている顔、悲しみに浸っている顔、怒りに満ちている顔……
京
今日から僕は君の兄だ。わかったかな?
京
僕の愛おしい弟…
そう言ってあげると僕の愛おしい弟は気を失った。

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