第7話

#6
91
2023/11/27 01:27
【レトルトside】
突然キヨくんから発せられた言葉に、俺は耳を疑った。
キヨくんの家に幽霊の女の子が居候?
その子はまるで生きている様な状態?
名前はあなたちゃんと言う。
…七夕なのに災難やなぁ。
ガッチさんの提案でその子は明日の俺ん家の撮影に連れて来てくれるらしい。
ノリノリでOKしたけど、実際心臓は跳ね上がっていた。
レトルト
ちゃんと大人として接しないきゃ…!
俺はどんな子が来るのかという期待と、しっかり接することが出来るのかの不安に揺れながら眠りに着いた。




次の日、うっしーとガッチさんはキヨくんたちよりも早く来た。
しばらく談笑していると、
ピンポーンッ
俺の心臓を鷲掴みする様な乱暴で無機質な音が響く。
レトルト
入っていいよー
あなた

『オヴッ華声…♡』

キヨ
『悶絶するな』
俺が応答すると、女の子の声とキヨくんの声がインターホン越しに聞こえた。
…あなたちゃんの声は汚れひとつない聖水の様な透き通った声だった。
キヨ
お邪魔しまーす
惚けているとキヨくんの声が玄関からする。
いかんいかん。
レトルト
はいはーい。うっしーとガッチさんもう来とるよ
2人は俺の後ろに立っている。
牛沢
うぃーっす
キヨ
やめろその挨拶w
ガッチマン
やっと来たぁ
4人でいつも通りの挨拶をする。
キヨくんはあなたちゃんを前に出す。
キヨ
言ってたの、こいつな
こいつって言うなキヨくん!
そう言いたかったけど声にはならなかった。
目の前には可憐な花の様な美人さんがいたから。
清流の様に艶やかで胸まで伸びている黒髪。
長いまつ毛は大きな茶色の瞳を囲んでいる。
日焼けなぞ知らぬ白い肌。
形の良い唇は紅色。
あなた

初めましてあなたです!
今日はお邪魔しますよろしくお願いします!!

放たれる声は鈴が鳴る様にコロコロしていて。
ガッチマン
えめっちゃ可愛い子じゃーん!
レトルト
べっぴんさんや…
牛沢
だねェ
思わず声に出てしまう程、人間離れした美しさだった。
それでも笑顔はまだあどけなさが残る。
4人で何かを話しているが遠く聞こえる。
牛沢
てかまだ一言しか発してない輩おるけど
うっしーの声で我に返る。
3人が後ろにいる俺を見てニヤニヤしている。
レトルト
一言は発したじゃん…
あなた

あっ無理にはいいよ!

あなたちゃんが口を開く。
…優しい子だなぁ。
それでも3人は引いてはくれなかった。
キヨ
大の大人が恥ずかし〜
牛沢
ちゃんと挨拶はしろよ?
ガッチマン
照れなくていいから!
なっ何やこいつら!!!
レトルト
わかってるよぉ!
俺はあなたちゃんに近付く。
わわっ…いい匂い。
レトルト
…初めましてあなたちゃん。
よろしくね
あなた

うんっよろしく!

なんとあなたちゃんは俺に握手してきた。
柔らかい手に包まれて俺は目の前に妖精を見る。
レトルト
ハッッ
あなた

あ、あれ?レトさん?

自分を呼ぶスズランの如し声を最後に、俺は柔らかいものからは離さず意識だけを離した。

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