第4話

#3
100
2023/11/25 01:42
【キヨside】
キヨ
は〜疲れた…。今日も撮影5時間くらいになっちゃった
俺は大きく伸びをした。
丸めてた背中が軋む。
キヨ
イタッ…猫背治さないとな…
俺はすぐに編集に取りかかる。
しばらく編集を進めていると、空き部屋から何やら物音がする。
キヨ
…なんだ?
不審者か?
俺は編集部屋を出て、忍び足でその空き部屋に近付く。
片手にはスマホを持ち、いつでも通報できる状態。
??
あーもう!折角推しに逢えるかと思ったのに!期待させやがって!!
俺は突然の女の叫び声にビクッと肩を震わす。
…俺の視聴者か?
ただ声はまだ幼く、おそらく未成年。
キヨ
(…)
俺は意を決してドアを開ける。
…何故かはわからないが、彼女からは何か真っ直ぐな気持ちを感じる。



ガチャ


??
ヒョッ
そこには、制服に身を包んだ幼さが残る少女がいた。
胸までの美しく手入れされた黒髪。
大きな茶色の瞳。
白い肌。唇はほんのり紅い。
あどけなさが残るが、美人と言える顔立ちだろう。
だがしかし、俺は警戒を緩めない。
??
…っキ、…ヨ…
少女は俺の名前を絞り出す。
…やっぱり視聴者か?
俺は驚きつつも冷静さを保つ。
キヨ
…え誰ですか。警察呼びますよ
じっと少女を見る。
その少女は…大粒の涙を目から零す。
キヨ
えっ!?
俺は慌てる。
少女の言動からして彼女は俺の視聴者だろう。
でも逢うだけでこんなに泣くなんて…。
??
あぁ…ごめんなざっ……訳、わかんない女が…泣いてるの……意味、わかんな…いですよねっ…
嗚咽を上げながら泣く少女。
キヨ
こいつの言っていることには嘘偽りは感じない。
心の意のままに話している。
俺は部屋を出て洗面所へ行き、タオルを持ってまた部屋に戻る。
キヨ
これ…使ってください
俺はタオルを差し出す。
??
あり、がとう…優し…いです、ね"やっぱり"
やっぱりってことはちゃんと俺の動画見てる奴だな。
キヨ
…なんか訳ありそうだったから
俺は小さく呟くと、少女が泣き止むのを待った。
キヨ
…で?お前誰
??
いや、そうなりますよね〜
あ、意外とこいつ常識人か?
あなた

私は女子高生のあなたです!今私の本当の肉体は昏睡状態になっています。そして私は幽体離脱みたいになっているんです

キヨ
はぁ…?なんで俺には見えてんの?
あなた

今この状態の私は普通に生きている時と同じ状態なんです!だから全員見えます

キヨ
へぇ〜。変だな
あなた

昏睡状態から目覚めるには私の推しと1年過ごさないといけないのです!

キヨ
推し?
そこまで言うと、あなたという少女は満面の笑みになる。
あなた

ええ、推しです!キヨ、貴方は私の推しなんです!

キヨ
んおぉ…(?)そりゃどうも
俺は思わず変な反応をする。
あなた

ブフォッ何その反応ww

少女は吹き出す。
キヨ
はっうるせぇなブフッ
いつもの俺だよと思いながら自分も吹き出す。
あなた

えっ笑った!!

キヨ
俺は赤ちゃんか何かか
あなた

フゥ〜キレッキレぇ!

キヨ
茶化すな!
俺は大きくため息を吐いて頭を搔く。
キヨ
お前と話すとすっごい疲れるわ
あなた

え?ちょっとやめてよぉ

キヨ
褒めてねぇわ
止まらぬボケとツッコミ。
キヨ
お前これからどうすんの?
あなた

あー

あなたは即答する。
あなた

ここに住みます♡

キヨ
まじかよ
その後めちゃくちゃお願いされて仕方なく俺の家に住むことになった。

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