第2話

#1
154
2023/11/24 14:40
あなた

……ん

温かい光を感じて私は跳ね起きる。
あなた

あれ、ここどこ?

私死んだはずじゃ…?
え…私トラックにぶち当たったよね?
少しずつ自分の状況を理解する。
……
いや出来んて。
思わず自分にツッコむ。
あなた

えっ待ってちょっと待ってよ!私推しに逢わずに死んだの!?本気?私本気で言ってる?

私は頭を抱える。
あなた

なんで赤信号で渡ってる訳!?ちゃんと前向けよ自分!てゆーかここどこよ!

私の声は真っ白な無の空間に反響して消える。
「フオッフオッフオッ。どうやら困っておるようじゃな」
あなた

ウワァァ誰!?

突然頭上から老人の声がして飛び上がる。
そこには雲に乗って頭に金色の輪っかが浮いている、いかにも神様の様な人がいる。
あなた

えっなになに神様!?

「さっきからお主のことを見ていたが…うるさいのぅ」
あなた

あはっでしょ?☆

「得意げに言うことではないわ」
あなた

えっ神様にツッコまれた

「いちいち喋るでない。話が進まんわ」
神様は咳払いをして話し始める。
「お主は今病院に運ばれておる。ただし死んではおらん。昏睡状態と言ったところか」
あなた

死んではないんだね!?良かった…

「まぁこれからどうなるかはわからんが…お主が生き返りたいならひとつ方法がある」
神様は人差し指をぴんと立てる。
あなた

方法?





「方法はな…お主の"推し"に逢うことだ」


あなた

は?

あっやべ、思わず汚い言葉が…。
あなた

えっあの、推しって…私の推しってこと?

「うむ」
あなた

つまり…キヨたちって…こと?

「その通り」
あなた

はッッ!!??何それご褒美じゃん!逢えるんだよね!?

私の興奮はうなぎ登り。
「お主は1年、普通に生きている状態として推したちと過ごすのだ」
あなた

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙無理!死ぬ!死にそう!!

「まだ話は終わっとらん!」
叫ぶ私をぴしゃりと黙らす。
「良いか?ただ普通に1年過ごすのではないぞ?お主が生き返る為には"条件"がある」
あなた

えっ何?




「お主は…推しとは結ばれることは出来ない」


あなた

……え?

途端に私の顔からするりと笑顔が消える。
「お主が推しにどれだけ恋しても構わない。…だが、推しからの想いをお主が受け取った瞬間、お主は永遠に目覚めない。もう今の記憶を持ったまま推しには逢えない」
あなた

な、んで

私は言葉が詰まる。
…いや、別にそれ目当てではない。ないけどさ、オタクってそういうことも考えるじゃん?
なのに。
「すまない…。儂にはどうすることも出来ん。お主次第じゃよ」
あなた

っ…

私は唇を噛み締める。
あなた

うんん。逢えるだけで十分

「…自分を取るか、相手を取るか。お主の判断を見守っておる」
あなた

うん。気を付ける

私は神様に別れを告げると、光の方へ走って行く。

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