第24話

黄色君の過去③
1,443
2020/10/20 08:47
るぅとくんが話し終わり、沈黙が流れる


地平線の彼方に太陽が沈みだし、僕らをゆっくりとしたスピードで淡い橙色に染めていく



沈んでいく太陽の方を向き、寂しそうに笑うるぅとくんの目にオレンジ色の太陽が映り込む
るぅと
るぅと
ふふ……………僕ってなんで生きてるんでしょうね
るぅと
るぅと
大量殺人を犯して、それからまた現実逃避のためのこの仕事で人を殺して
るぅと
るぅと
僕の方が死ぬに相応しい人間なのに
違う


るぅとくんは死ぬに相応しい人間でも悪魔でも無い!

人を助けられる、立派な力がある!

なのに…………………



るぅとくんは、錆びてボロボロな今にも壊れそうなフェンスの前に立った
るぅと
るぅと
ほら、今寄りかかったらもう死ねる
沢山の命を殺めた悪魔がこの世から消える




























乾いた声でるぅとくんは言った
るぅと
るぅと
もう、死んでもいいですか?






るぅとくんがフェンスに体を預けようとしたその時





パチン!



辺りに乾いた音が響いた
莉犬
莉犬
馬鹿っ!!!
莉犬くんが、るぅとくんの頬を叩いていた




胸ぐらを掴んでフェンスから引き寄せた莉犬くん
莉犬
莉犬
ねぇ馬鹿なの?!
莉犬
莉犬
ねぇ馬鹿なの?!
俺が今までどれだけるぅとくんに助けられたと思ってるの?!
他の皆もそうだよ!
皆るぅとくんが居なかったら今頃死んでる!
るぅとくんが俺らの命を繋いでくれてるんだよ?!
それに、俺の話を1番よく聞いてくれて、俺のわがままにもウザがらずに接してくれたのは誰?!
他でもない、るぅとくんなんだよ!!
だからさ…………お願い……………
もう……………そんな風に言わないでよ………………!

お願い……………………
莉犬くんは、最初は怒鳴っていたものの、途中から涙をポロポロ流していた
るぅとくんも泣いてた
(なまえ)
あなた
るぅとくん
るぅと
るぅと
…………………
涙で濡れた顔をそっと上げる
(なまえ)
あなた
あの時、僕と皆が初めて会った時さ、大怪我してた僕を治してくれたの、るぅとくんだよね?
(なまえ)
あなた
莉犬くんが言ってたみたいに、るぅとくんが居なかったら僕は死んでた
自分の命無い方が良かったって言うってことは、その命に助けられた人の気持ちを踏みにじってるっていう意味なんだよ?
だから、他でもない自分が、自分のことをそうやって言ったら駄目
るぅとくんは更に泣いた
皆も泣いてた
ななもり。
ななもり。
るぅとくん
さとみ
さとみ
るぅと
ジェル
ジェル
るぅちゃん
ころん
ころん
るぅとくん
莉犬
莉犬
るぅちゃん
るぅと
るぅと
皆……………
ごめんなさい………………





























そして、それを遠巻きに見つめる2つの影
???
以上が全てなようです
???
上限解放のもうひとつの条件
???
それは恐らく
???
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇と思う
???
それがターゲットには無かったため、上限解放がされなかったと考えられます
???
では、失礼します

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