第23話

黄色君の過去②
1,419
2020/09/28 22:35
僕は小学生の頃、能力のせいでクラスメイト全員から虐められてたんです

僕の能力は回復で、傷を治すことが出来るっていうのは皆知ってますよね?


僕の家族は、僕の能力の事を結構良く言ってくれてたんです

「この力を、人を助ける為に使いなさい」
って


だからその言葉を受けて、小学校で怪我した人を能力で治していました

もちろん一般人はそんな事出来ません


人間って弱い生き物ですよね
自分と違う、それだけで人を陥れないと生きていけない
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
い、痛いっ!やめてよぉ………
虐めっ子1
うるせぇ黙れ!!!
虐めっ子2
悪魔が人様に口聞いてんじゃねーよ!
暴力でつけられた傷は自分の能力ですぐ治る

でも、心に負った傷は何をやっても癒えることはありませんでした


少なくとも自分は、この能力で人が救えると思っていた

なので『悪魔』って言われた時は、心が抉られるような感覚でした
虐めっ子2
こいつ怪我させてもすぐ治るからもっと酷い目に合わせないと
虐めっ子1
人様と悪魔が同じ世界で生活してる罪を思い知らせねぇとなぁ
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
うぅっ……………
僕、何も悪いことしてないのに…………
先生や他の友達にも見て見ぬふりをされた
僕が他の子と違うというとこで、大人でさえも僕を避けました



親には、言えなかった


他の子と違う僕をここまで育ててくれた親に、これ以上迷惑をかけたくなかった


それから本当に人間が嫌いで、特にあいつらや見て見ぬふりをした大人が殺してやりたいくらいに嫌いでした



でも、それより、


何も出来ない自分の方がグチャグチャにしてやりたいくらいに嫌いでした



僕は正直、この日々が少なくとも卒業までは続くと思ってました



でも、それだけで終わるほど神様は優しくありませんでした





いつも通り屋上に呼ばれて虐められていた時、
虐めっ子2
たまにはやり返してみろよ
虐めっ子1
まぁその細っちい腕じゃ返り討ちにされるだろーけどな
虐めっ子2
返り討ちなんてレベルで返さねーよ
虐めっ子1
コイツそろそろ再起不能にしてやろうぜ‪w‪w
何で能力持ってるだけでこんなに虐められないといけないんだ

僕だってこんな能力欲しくて生まれてきた訳じゃない

お前らに虐められたストレスで食べ物が喉を通らないんだ


もっと力があったら虐められないのかな?



”誰にも負けない強さが欲しい”


そう思った時、血液が体を巡る速度が上がって、どこからともなく力が湧いてきたんです
虐めっ子1
何か返事しろよ!
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
………………………………
パシッ


体が勝手に動いて、僕に向かって飛んできたパンチを片手で抑えていた
虐めっ子2
チッ
悪魔の癖に生意気なんだよ!!!
僕の頭は、隅から隅まで虐めっ子への憎悪で埋め尽くされていた


その溢れんばかりの憎悪が、頭から弾けるように外に出た時、

僕は意識を手放した













次に意識が戻った時、


辺りは地獄絵図だった



雷が落ちたせいで半壊している屋上

辺りに広がる血や焼け焦げた肉の匂い


犯人は自分だと直ぐにわかった
クラス全員がかなりの重症を負っているにも関わらず僕は無傷
さらに、少しだけ手が電気でピリピリしていた


燃えている屋上で立ち尽くしていると、誰かが僕のズボンの裾を引っ張った


あの虐めっ子だった

喉が焼けているせいで掠れた声で彼は言った
虐めっ子1
助けてくれよぉ
お前のその能力でさぁ
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
ご、ごめんなさい
僕は、彼をすぐに手当てしようとした


でも、彼の傷が治ることは無かった
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
な、何で治らないの?!
これは後からわかった事だが

自分が完全に敵とみなしている人にこの能力は使えないらしい


僕は、彼の事を殺したいくらいに恨んでいた

だから能力が使えなかったんでしょう
虐めっ子1
何やってんだよ…………
早く治せよ!
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
どうして治らないの!!
虐めっ子1
あ、ごめん
今までやってきたことは謝る
だから早く治してくれ!
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
治せない………
虐めっ子1
………何だよ役立たず!!
俺らが気遣ってお前で遊んでやってたのに!!
虐めっ子1
クズ!
虐めっ子1
ゴミ!
虐めっ子1
悪魔!
虐めっ子1
お前が死ねば良かったのに!!
虐めっ子1
お前が死んで悲しむやつなんか居ねぇんだから!
虐めっ子1
死ね!
僕は数え切れないくらいの罵詈雑言を浴びせられた


でもその間も何度も治そうと試みた



そうしたら、手の先に力がこもってきた
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
!!治せる……?
手から出たのは淡い光、




では無く、嫌という程光る稲妻だった
虐めっ子1
うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!
るぅと(幼少期)
るぅと(幼少期)
?!?!
虐めっ子1
おま……え、が………憎い………………
この世の全てを拒絶するような、邪気をはらんだ声だった



その言葉が彼の最期だった








そこから何が起きたのかは、僕もよく分かっていない


僕が殺したクラスメイトの親と面談して、

沢山の涙を見て、

さらに沢山罵倒されて、

小学校が廃校になって、

家に引きこもって、



暫くは世界がモノクロに見えていた

でも、親は
『るぅとは悪くない』
そう言って殺人犯の僕を抱きしめてくれた

『ごめんね、ごめんね』
そう言ってずっと謝っていた


それが、さらに僕の心を抉る事に繋がった



そんな家に居たくなくて14歳の時に家を出た


そこで、なーくんに会ってstrawberryマフィアに入りました



莉犬ところちゃんに着いてもらいながら高校に入りました

今は小学生じゃないから制御は出来ますが、
るぅと
るぅと
怖いんですよ
るぅと
るぅと
また誰かを、殺してはいけない人を殺してしまったら、傷つけてしまったら、そう考えたら怖いんです
そう言ってるぅとくんは、僕らに背を向けた