第21話

桃色君の過去③
1,557
2020/09/27 08:22
皆さとみくんの話を聞いた後、声が出なかった





僕も喉が閉まったみたいに声が出なかった






皆には、最年長としてお兄ちゃんみたいに接していて、なのにそんな過去を抱えているなんて思いもしなかった








ななもり。
ななもり。
さとみくん
兄ちゃんがみんなの前に出た





ギュッ






兄ちゃんがさとみくんを抱きしめたのだ
ななもり。
ななもり。
話してくれてありがとう
ななもり。
ななもり。
そんなに辛い過去なら、塞ぎ込んでても可笑しくないのに、普通に生活してるのは本当に凄い
ななもり。
ななもり。
あと、これからは俺らの事も頼ってね?





さとみくんは、少しびっくりしたような顔をして固まっていた














さとみ
さとみ
うん、ありがとう
そう言って優しく笑った
透き通った青い目には涙が浮かんでいた
(なまえ)
あなた
ったく、何泣いてんの
(なまえ)
あなた
年上が年下を頼っちゃいけないなんて法律ないんだからさ、そんな気張らなくていーんだよ
僕はバックから取り出したハンカチをさとみくんに差し出す
さとみ
さとみ
ったく………こんな時でも素っ気ないの変わんねーんだな
さとみくんの目から涙が溢れだしてきた
(なまえ)
あなた
あー!!
だから泣くなって!
ジェル
ジェル
そこはコントでもしてるんか?笑笑
(なまえ)
あなた
僕は至って真面目だけど
ジェル
ジェル
じゃあ犯人はさとみか
さとみ
さとみ
ナンデダヨォオオオオオ
ころん
ころん
泣いててもそこは変わんないんだ
さとみ
さとみ
うっさい猿
ころん
ころん
はぁぁ?!
もう全員うるさいんだけど…………
さとみ
さとみ
なぁ
ななもり。
ななもり。
ん?
さとみ
さとみ
俺、お前らと一緒に居られてよかった
もし一緒じゃなかったら俺、どっかで壊れてたと思う


大きく息を吸い直すさとみくん


さとみ
さとみ
さとみ
さとみ
ありがとう
莉犬
莉犬
もーっ、何今更水臭いこと言ってんの?
るぅと
るぅと
そうですよ、互いが互いを支え合ってやっていく、その上に僕達が存在してるんですから
さとみ
さとみ
よく分かんねぇけどありがとう







皆、仲良いな………………








こんな日がずっと続けばいいのに



















そんな小さな願いが儚く散るなんて、この時には夢にも思わなかった
















???
今の会話、聞こえましたか?
ボス
???
見る限り、上限解放には幾つか条件があるように見えます
???
恐らくその1つは、
心に深い傷を負うような過去を持つ
???
その条件をターゲットは満たしているにも関わらず上限解放が怒らない原因
???
それは、まだ上限解放に必要な条件があるということでしょう
???
ターゲットのグループには、あと2人上限解放ができる素材がいる
???
それらもこれから追って調査します
???
では、失礼します