都内の地下ライブハウス。
今日も私は、まぶしいライトの当たるステージへと飛び出した。
私たちが登場すると、客席から大きな歓声が上がった。
カラフルなペンライトが一斉に揺れて、会場は一気に熱を帯びる。
永井真鈴、19歳。
アイドルグループ『ドリーミー・キューピッド』(略してドリキュン)のメンバーとして地下アイドルやってます!
グループのリーダーである美結の声に、会場は歓声で応える。
私たちのテーマソングのイントロが流れると、客席のボルテージが一気に上がる!
全力で歌う私たちに、ファンの人たちは同じくらいの熱量をこめたコールで応えてくれる。
手が届きそうなほど近い距離感、一緒にライブを盛り上げてくれるファンとの一体感。
地下アイドルのライブならではの楽しさが、ここには詰まっている。
私はステージから自分のカラーである黄色のペンライトを見つけると、次々と指差ししながらファンサしていく。
ライブに来てくれた全員に、笑顔と元気を届けたいと思って一曲一曲歌う。
メンバー最年長の梨花の声に、会場から落胆の声が漏れる。
軽快なイントロが流れ出して、観客のボルテージは最高潮に達した。
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まるで会場全体が一つになったような拍手が巻き起こる。
名残惜しそうにペンライトを振るファンたちに手を振りながら、ステージを後にする。
私たちの会話に、マネージャーの涼子さんが入ってきた。
地下アイドルのファンは、ライブだけでなく物販やチェキ会での交流を楽しみに来てくれる人たちも多い。
パフォーマンスで乱れた髪を直していると、隣でメイクをしていた梨花が鏡越しに話してきた。
すると、人形のように整った顔立ちの瑠奈がやってきて私の腕にきゅっとしがみついた。
普段あまりしゃべらない瑠奈が、私のことを全力でかばおうとしてくれてるのがうれしすぎる!
思わず私も瑠奈に抱きつくと、
私たちはすぐにその場を片付けて、控え室をあとにした。
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物販が行われるイベントスペースでは、既に行列ができていて、私たちが来るのを待っていたみたい。
物販がスタートすると、会場はライブとは違う活気に包まれた。
推しのグッズを買い漁る人、緊張しながらメンバーとツーショットのチェキを取る人、列
に並びながらファン同士で話している人、それぞれの楽しそうな声が飛び交う。
今日のチェキのトップバッターである男の人に見覚えがあった。
ニッコリ笑顔でツーショットを撮ると、永瀬さんはうれしそうに去っていった。
次は一年以上推してくれている、女子高生の蘭ちゃん。
男の人もうれしいけど、女の子に可愛いって言ってもらえるのは、違ったうれしさがある。
私たちは仲良く二人でハートを作ってチェキを撮影した。
笑顔で蘭ちゃんを見送ると、美結の列に並んでいる、幼なじみの海星の姿を見つけた。
見慣れた光景に、ちくっと胸が痛んだ。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!