第4話

No.4
1,381
2020/10/02 15:42










あの日も、仕事に疲れて酒で流そうと、
ふらふら飲み歩いていた。



何軒目かハシゴしたあとの帰りで、
なんか飲みすぎちゃったらしく、
いつもは酔わないけど、今日はちょっと酔った、
そんな自覚が、今日はあった。






どうしても自分にご褒美がしたくて、
閉店ギリギリの百貨店に転がり込んで、
化粧品とかカバンとかいっぱい買っちゃったり。
CHANELシャネル でリップ5個


MICHEAL KORS と COACHコーチ のカバン。
GIVENCHYジバンシーとかでも香水買っちゃったな。








『あーあ、買いすぎちゃった、(笑)』
とか言いながらも、実は満足してる、私。





両手にブランドバッグ引っさげて、
またぶらぶらと歩いてると、人とぶつかった。




「すいません、!」
『…ぁ、いえ、』





衝動でスーツの胸ポケットに入ってたペンが落ちる
少し雑だけど、律儀に拾ってくれた。


こんな時でも、声ひとつ出ない私って…
ほんと情けないくらいに自分が嫌になる。






にしても、あのぶつかった男の人、
首に大きくて青い龍の刺青が入っていた。
刺青って基本黒じゃないの?
あれ?酔いすぎて私、おかしくなっちゃった?
黒のものが黒く見えなくなるくらい酔った?




なんか立ちすくんで、動けなくて、
その場を見下ろすと、ペンが落ちていた。
明らかに私のものでは無い。
先程ぶつかった、あの人のものだろう。
ペンを拾ってよく見てみると、
小さい明朝体で、何か印字されている。
目を凝らして読む…





“ 青龍会岩田組 藤原樹 ”






青龍会、。
せいりゅう…、、せいりゅう、、
……青龍!!!




『……ヤクザじゃん、、』




日本では、知らない人は居ないだろう勢力である、
「青龍会」
随分と長い間、世間を物騒にさせている集団だ。
でも、その割には、青龍会の人の逮捕のニュースは上がってこないし、
警察も、その勢力に対して、特に何も規制していない。
だから、“ 謎めいた暴力団 ” のキーワードで有名。





にしても、そうは見えなかったのになぁ、あの人。
見た目からしたら、下っ端ぐらいにしか見えなかったけど。
てかこれ拾うべきなのかな、
しばらくその場に立ち尽くして迷ったけど、
名前が入ってる大事なものは、
それこそ壊れたら、ダメだろうし。、



でも、持ってって何か巻き込まれてもなぁ、、
隠し子の身分上、波音立てずにしてなきゃダメだし
だから家に帰ってビニールの包装袋に入れて、
適当に袋を探して入れて、落とした場所の近くに引っ掛けておいた。






この行動が、私の運命を狂わせる。

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