side⇋あなた
なんてことない日常。
朝起きて、仕事して、家に帰って、
寝て、また朝起きて、
本当に色のない日々。
数年前までは、親が主催するパーティーだったり、
祝賀会等々、〈お忍び〉で参加した。
毎日の如く違うドレスを着て、違う化粧をして
違う会場に、〈赤の他人のフリ〉をして
せっせこ足を運ぶ
それは両親が、あの場を持って、
取引先への対応等、人あたりの良さ、など、
少しでも私に可能性を見いだせたら、
即座に私のことを公表し、跡継ぎに仕立て上げる為
私を、あの環境に慣れさせようとしたに違いない
あの時間は、当時の私にとって、苦痛でしか無かった
でも残念ながら、というか、不幸中の幸いというか。
私にはその可能性は見いだせなかったらしく、
今のような生活になった、というわけ。
でも、私にはこの世で1番嫌いな人がいる。
両親?
ううん、お父さんもお母さんも、優しいし、
弟妹も、可愛げがあって、すごく私に懐いてる。
家庭はすごく円満、。でも、、
[ 着信 西園寺律子 名誉会長]
ぁぁ、また来た、やだやだやだ…
私がこの世でいちばん嫌いな人。
全ての私の自由を奪った人。
今度は私から何を奪うつもりなの、、、??
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!