第20話

No.20
468
2022/03/27 05:33







side⇄剛典








俺はもうすぐ結婚する。
今までの俺は、組を守ることしか考えず、
その為には手段を問わないのが俺だった。



誰かの所有物になるのが嫌いで、
特定の女を作らず、


適当に抱いて、適当に捨ててきたこの俺が。



相手は、先代から贔屓にしてもらっている西園寺家の
長女、だそうだ。



西園寺家の長女、と言えば、不良で素行が悪い。で有名。
西園寺家はそれを恥だ、といいずっと隠してきた。
そんなやつと、この俺が結婚するって言うのか?
何考えてんだ会長のやつ、。


とはいえ、いくらこの俺でも、会長に物言いは出来ず、
結婚する事を受け入れた。



ずっと隠されてきたが故に、
全くもって情報も得られず、
情報通な長谷川に言っても、首を傾げられ。
事前の情報収集が困難だった。
それくらい隠されてきたヤツ。


どんなやべーヤツなんだよ、とか思ってたら
会ってみれば意外と、清楚の部類に入る、
今まで俺が関わってきたことの無いタイプの女だった。


容姿と家と金にしか目がないそこらの女とは違って、
淡白で、でも従順だった。
従順な女は正直嫌いだけど、
何故かコイツは拒絶しなかった。
面白い、とさえ思った。


元々、金を持ってる女だからか
金の出入りに全くもって興味が無いようだ。
良く言えば淡白。悪くいえば無頓着といった所だろうか
…人生、もう諦めました、みたいな顔しやがって…、
その辺も、今まで俺の周りをうろちょろしてた女とは
ひと味もふた味も違う。
そこらの女は強欲の塊だったもんな、と
思い出したくもない事を思い出して虫唾が走る。





とにかく、俺の経験値を全部ぶん投げる刺激的な女。
いずれ捨てることにはなるだろうが、


現時点では親父の人選も捨てたもんじゃないなと思う。










華琳「珍しいよねぇ、組長がガチ恋なんて〜。」
樹「それは俺も思う、」
『聞こえてんぞお前ら』
華琳「…やっべ、」
『訂正しておくが、俺は西園寺の長女なんか
最初から眼中に無い。』
樹「…ほら、」
『んぁ?!』
華琳「誰も西園寺さんチの長女さんって言ってないのにね〜」
『…チッ、んだよまじで、からかうなよ俺を…』
華琳「あっ、怒ですか組長?」
『華琳おまえ、、ふざけんなよ?』
『今月の報酬金無しにすんぞ』
華琳「おわっ、それはパワハラですわくみちょー、」
慎「………」
『な、なんだよ長谷川、お前背後からぬーんって現れんなよ』
慎「あ、ごめんなさい気配消すの得意なもんで、」
慎「ちなみに組長心拍数ドン上がりしてますよ。」
『…どいつもこいつも…、ふざけんなし、出かける!!!』
華琳「あー拗ねちゃった、行ってらっしゃーい。」




信じられないくらい腹がたった時は無性にヤりたくなる
躰を求めて、本殿に向かう



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