第14話

No.14
672
2021/08/31 06:00







side⇄あなた



外に出たのはいいけど、
寒くてどうにかなりそう。
まだ冬っていう日付じゃないのに


今の私の気持ち体現してるみたいでやだ。




あてもなく、とぼとぼ歩いてると、
前からヤクザみたいなのが近づいてきた





〈姉ちゃんちょぉツラ貸せ?〉
「…なんですか」
〈君、この前岩田の坊ちゃんとおんのみたけど〉
〈どないな関係ですの?笑〉
「ストーカーなら警察に通報させていただきますが」
〈質問に答えてや、姉ちゃん。〉
〈どないな関係ですのーてゆーとんねん〉
「………」
「…何も関係ないです」
〈そんな嘘聞いてられまへんわぁ。〉
〈こちとら証拠アホほど掴んどんねん〉
〈ねー西園寺さんチの隠し子さん♪〉
「……!!」






まずい、バレてる…
これじゃあ何のための極秘結婚なんだ、
またあの人から雷が堕ちる、



〈キミ、ボンボンの娘はんやから、ちょいこっち
来てもらおーかなー〉




グイグイと引っ張られていく。
あぁもう殺してくれ。全てがおしまいだ。



そう覚った刹那、
私を連れ去ろうとするこのおっさんが、怯えだした。



〈…ちょっ、おい、なんで…!〉
〈やめろ、命だけは…!!〉






怖くて後ろを振り向けない、けど



誰かが殺意を向けてるのは理解出来る。
みるみるうちに掴まれた力が解けていく
その隙を狙って今度は後ろに引っ張られて、
腰を少し弱めに抱かれた。



銃をカチャカチャと弄る音がする。













華琳「……とっとと散れ、このクソジジイ」
〈…ひぃっっ、!〉
樹「この女はな」
樹「正真正銘、お前がだーいすきな岩田の坊ちゃんの女や」
華琳「手ぇ出した暁には、お前の命簡単に潰すよ」
華琳「ウラでいろーんなことやってるみたいやし
こっち側はいつ警察に言おうかしらって感じ」




どこかで見覚えのある顔に、
脳内の記憶という記憶を引き起こして考える




樹「まぁ今日は大目に見るけど、」
樹「次こんな真似したら、まじで殺すよ」



さっき、岩田と一緒にいた女の人が、
構えた銃を下ろすと、千鳥足で逃げていった







プリ小説オーディオドラマ