第10話

No.10
914
2021/04/10 13:58








side⇋あなた





やっと落ち着きかけた心が、また奮い立つ。
何言ってんの、この人…








『…は?』
剛典「口悪、笑  それでもあの西園寺家の長女?」
『…西園寺、西園寺、うるさいな、、』
剛典「…」
『私は隠された出来の悪い子ですが。何か。』



剛典「俺はその出来の悪い隠し子を選んだんだけど?」
『……っ、』










出来が悪いと、日毎ひごとに口煩く親戚から言われ
慣れてる、大丈夫、わかってると砕いてきたのに。


どうして、貴方から言われれると、
目頭がつん、と熱くなるの、?















剛典「…ま、俺はお前の事は好きにならないよ」
剛典「あくまで、今後の双方の関係を良好にする  “ 潤滑剤 ” 」
剛典「出来損ないはこっちから願い下げだよ」



剛典「あと、身体で繋がってるとか言ったけどさ」
剛典「俺は、お前の身体に指一本触れてねぇよ。」





“ ま、左手首の裏でも見といて。 ”




そう言って、少し緩んだネクタイをきゅっと締めて
下僕を連れて颯爽と、部屋を後にした。




私は、呆然としたまま、自分の左手首を触る



触った時の少しの違和感を感じて、
それを頼りに探りをかけると、小さな龍が。




その龍は、言わずもがなアレを象徴とするもの。



ロイヤルブルーの青龍と、ある英文。



「𝑆𝑒𝑖𝑠ℎ𝑖𝑡𝑠𝑢 𝑊𝑖𝑓𝑒」





_________ “ 正妻 ”



分からない、貴方の事が、理解できない。
どうして?
どうして、こんなものを私に彫るの?




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