第2話

2話
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2019/03/11 08:27
これは私が高校生の時の話。



私、片倉未来(カタクラミライ)はごく普通の
高校二年生

だけど
彩香
ちょっとこっち来ないでよぉ!w
愛里
やだ陰キャがうつるわw
ひどいいじめにあっています。


きっかけは3ヶ月前。

中学の頃から仲の良かった男の子が私に告白をしたことからだった。


彼はけっこう人気で、告白のことを知った女子達は私を標的にした。


その時ちょっとしたいじめみたいなものはあったけど、その事なんてお構いなし。
今までの事が無かったかのように仲良くして、一緒になって私を避けた。

……………………………………………
未来
未来
………こんな勢いよくばらまくことないでしょ、
放課後、帰ろうとすると筆箱やノートがないことに気づいた。

ロッカーにも机にもないので、窓から外を見てみると、中庭の花壇にノートがばらまいてあった。

私はハァ、とため息をついて取りに来たのだが。
未来
未来
えっびしょびしょじゃない……!!
見ると、花壇だけではなく中庭の池にまで散らばっている。

別にもう慣れてるけどさ、

やっぱりこうゆうのは傷つく。
未来
未来
よいしょ……っと。
私が靴を脱いで池に入ろうとすると、
渚
うわぁ、ツメタ………
いきなり現れた少女が、私の横で池に入っていく。

え………誰?
見たことないけど、違うクラス?
未来
未来
えっ、あの
渚
ひどいことするね
そう言って少女は、濡れて汚れたノートをどんどん拾っていく。

今は秋でも肌寒い時期なのに、その子は気にせず、長い髪を耳にかけ 腕まくりをして、冷たい水に腕を突っ込んでいる。
未来
未来
……………ありがと
渚
えへへ。
困った時はお互い様よっ!!
彼女の笑顔に胸が熱くなり、私も池に入ってノートを拾う。
渚
ふぅ、これで全部?
未来
未来
うん、全部ある。
渚
そかそか!
あっ部活行かないと!!センパイに怒られる、笑
未来
未来
あのっ、名前!
名前教えて……!!
渚
西宮だよ!西宮渚!!
そっちは?
未来
未来
片倉………未来!
渚
じゃーねミライちゃん!
未来
未来
……うん!
あの子はイジメとか関係ない世界で生きてるんだろうな、

何組だろ。また会えるかな。



世界があの子みたいな人で溢れていたらいいのに。
……………………………………………
彩香
ねぇ片倉〜
これってあんたのお姉ちゃんなんでしょ?w
未来
未来
えっ?
彩香が指をさしていたのは、女子中高生向けのある雑誌。

そこには確かに、私のお姉ちゃんが写っている。
愛里
えっうそぉ!
全然似てないじゃん
私のお姉ちゃんは大学生でモデルをやっていて、今すごく人気になっていた。
彩香
こんな妹で、お姉さんも可哀想ですねぇ〜www
そう言って彩香は雑誌をビリビリと切り裂く。
未来
未来
っ!やめてよ!
私はいくら馬鹿にしてもいい。
でもお姉ちゃんだけは馬鹿にさせない!

お姉ちゃんは誰よりも頑張ってて、私の自慢なんだから。

私が雑誌を無理やり取り上げると、2人は気に入らなかったらしく、明らかに不満げな表情になる。
愛里
家族に有名人がいるからって調子乗んなよ
未来
未来
いっ、た、!
愛里が私を突き飛ばす。

でも周りの生徒は我関せず。

見て見ぬふりをして、なるべく関わらないようにしている。
彩香
愛里〜その辺にしときなって。
先生に見つかったらヤバいしーw
2人は笑いながら、壁に倒れている私の足を踏みつけて、教室から出ていった。
未来
未来
あーあ。
自然と涙が零れてくる。



泣くなよ私

泣いたら負けじゃん





誰か……助けてよ

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